【3】ビタミンD

ビタミンDは、免疫細胞の抗菌ペプチド産生能を高めることで、体内から病原体を排除する力を強化する。

1日にとりたい量は50μg。イワシなら中3尾、サケなら1切れ半

 近年、免疫に関わると注目されるようになってきたのがビタミンDだ。「粘膜表面の細胞や免疫細胞が病原体を攻撃するために作る抗菌ペプチドを増やし、病気の感染を防ぐ。また、腸内細菌バランスを整える働きもある」と日本機能性医学研究所の斎藤糧三医師は話す。

 ビタミンDを多めにとっておくと、カゼを引いても軽くすむ、インフルエンザにかかりにくくなるといった研究報告もある。

 ビタミンDは体内でも作られる成分だが、合成には紫外線が不可欠。紫外線は極力浴びたくないという人は、魚などを積極的にとるようにしよう。

ビタミンDは魚に多い
ビタミンDは魚に多い
(データ:日本食品標準成分表2015年版から抜粋)
この人たちに聞きました
國澤 純
國澤 純さん
医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチンマテリアルプロジェクト プロジェクトリーダー
薬学博士。大阪大学大学院修了。東京大学医科学研究所准教授を経て現職。食品成分と粘膜免疫の関連を研究する。「腸が体内最大の免疫機関なのは、外界から入ってくるものに直接触れる部位だから。逆に考えれば、食品で免疫にアプローチしやすいということ」。

斎藤糧三
斎藤糧三医師
日本機能性医学研究所所長
日本医科大学医学部卒業。栄養療法やケトジェニックダイエットなどを指導。「ビタミンD不足は、花粉症など免疫の暴走によるアレルギー反応につながることも」。著書に、『サーファーに花粉症はいない』(小学館)。

取材・文/堀田恵美 写真/鈴木正美 スタイリング/石川美加子 レシピ作成・料理/成沢正胡 図版/三弓素青 栄養計算/原山早織(食のスタジオ)

日経ヘルス2017年3月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります

この連載は、毎週木曜日に公開。下記の記事一覧ページに新しい記事がアップされますので、ぜひ、ブックマークして、お楽しみください!
記事一覧ページは⇒日経ヘルスの人気記事