現代女性の栄養バランスは偏りがちです。特に、お菓子やパンを食べることが多く、冷えや疲れやすさに悩む女性に足りないのが、たんぱく質。そこでお薦めなのが、卵! たんぱく質豊富で1日1個は積極的に食べて欲しい食品です。

 九州大学の佐藤匡央准教授は「卵は良質なたんぱく質源。脂肪酸、ミネラル、ビタミンも凝縮している。毎日1個は食べて」と話す。

 卵1個(60g)にはたんぱく質が約7.4g含まれる。特に、卵のたんぱく質が良質といわれるのは、たんぱく質を構成するアミノ酸の組成がいいからだ。

 人間の体内で合成できない必須アミノ酸は9種類が一定量そろわないと、体内で体を作るたんぱく質として働かないが、卵はそれらを1個にバランスよく含む(次ページグラフ)。「完全栄養食」とも呼ばれるのはそのためだ。

 たんぱく質がとれていると、筋肉がつき、基礎代謝が上がり、食べても太らない体になる。また、たんぱく質は体の中のすべての代謝にかかわる酵素の原料なので、代謝がアップして、疲れにくくなる。

 さらに卵には鉄や亜鉛など、女性に不足しがちなミネラルやビタミンも含まれる。

 「卵にはコレステロールが多い」と心配する人もいるが、遺伝的な体質や病気で制限されていなければ問題ない。むしろ、女性ホルモンや細胞膜などのもとになるので、「不足すれば、月経不順や不妊など深刻な問題を招く可能性もある」(佐藤准教授)。

 安心して毎日の料理に、卵を取り入れよう。