2017年も残り1カ月。新しい年を前に、改めてお金について考えてみるのはいかがですか? 日経WOMANと日経FinTech編集部は、11月5日にイベント「お金と私をアップデート 2017 Autumn」を開催しました。これからお金を取り巻く状況はどう変わり、どう備えたらいいのか、経済ジャーナリスト荻原博子さんの基調講演「あなたの“もやもや”必要ですか? ~お金と生活と未来の話~」からご紹介します。

投資は「しなければならないもの」ではない

 最初に「投資はしなければならないと思い込んでいるのではないでしょうか。投資はしないという選択もできます」と荻原さん。投資は時期を見てするのが重要とのこと。今は株が上がっている時期ですが、「いつ崩れるかは分からない」と分析します。

「投資はしないという選択もできます」と荻原さん
「投資はしないという選択もできます」と荻原さん

 また、「投資は余裕のあるお金でやらなければいけない」というのも大事なポイント。例えば、結婚や住宅購入、子育てのために1000万円必要だと思っている人の場合、その1000万円で投資をしてはならず、1000万円を超える金額があるときに投資を考えるべきだそうです。

近い未来に、お金を取り巻く状況はどう変わる?

 それでは、近い未来にお金を取り巻く状況はどうなるのでしょうか。今までは世界的に金融緩和の基調があり、昨年2016年中ごろからはお金が投資に向かっていました。しかし、中国が今年10月の共産党大会を終え、今後は金融の引き締めにかかると予測できるため、「世界中がちょっと景気が悪いなという方向」に向かうのではないかと荻原さんは言います。

 また、「オリンピックが終わると大不況になります」と荻原さん。1984年にオリンピックが商業化して以降、インターネット革命の影響を受けた1996年のアトランタオリンピックを除き、オリンピック開催後は不況になる傾向があるそうです。

「オリンピックは一大公共事業なんですね。それが終わった後に、負債でがくんと景気が落ちるのが今までのパターンです。ギリシャはアテネオリンピックのツケで国家破綻していますね。ギリシャは最悪のケースですが、そうでなくても、オリンピックが終わるのは一大公共事業が一夜にしてなくなるようなものなので、景気が冷え込みます」(荻原さん)