手帳を書く時間をどうやって確保するか

 はあちゅうさんは、長時間を固定して手帳を書くよりも、細切れの時間に書くことが多いそう。15分でも時間があれば書いているため、重い手帳を持ち歩くのではなく、小さいサブ手帳を持ち歩くのが基本だといいます。

 「情報は全部をためておいても意味がないと思うので、時間があるときにノートを見返して、大事なことだけ清書用の『週末野心手帳』に書いています。こちらは10年後、20年後も残していると思いますが、日々のノートは数年に1回は捨てます。家置きの手帳とリアルタイム手帳とで、ノートの区別をつけている感じです」(はあちゅうさん)

 空いた時間を使って清書をしているというはあちゅうさん。旅行が多いスケジュールの際にはリアルタイムで書き写せないこともあるため、「できなかった」という気持ちを生まないために、強いルールはつくらないそうです。

 一方、池田さんは定期的に手帳を整理する時間をつくっていると語ります。

 「『朝活手帳』にスッキリリストという項目があるんです。連絡したい人や進めたいプロジェクト、将来やりたいこと、課題、読みたい本を書く部分です。これを月曜日の朝に書き込み、翌週の月曜日の朝に、できたこととできなかったことを精査します。毎週書いているけれど実行していないことは捨てて、絶対にやりたいことだけを『戦略的先送り』と称して先送りにしているんです。月末には、振り返りシートを使って棚卸しのような感じで整理して、その月の振り返りと未来予想メモを作ります」(池田さん)

 「人による違いが面白い」という話になったお二人。はあちゅうさんは「ルール作りが好きな人と、ルールを作ると苦しくなる人とで、手帳の使い方は変わってくる」と分析していました。

お気に入りのノートとペンを紹介

 トークの終盤では、お二人がお気に入りの手帳グッズを紹介しました。

 「テンションの上がるノート」を選ぶことを第一に考えているというはあちゅうさんは、1種類のノートを買い続けるのではなく、いろいろなノートを使っているそう。後から「この時、あのノートを使っていたな」と振り返るのも楽しいのだとか。ペンについても、ノートとの相性や芯の太さなど、その時々でブームがあると語ります。

 「今好きなのは、ジェットストリームの0.7mm(三菱鉛筆)と、ビクーニャ(ぺんてる)です。ビクーニャは読者さんに教えてもらって使い始めました。最初は私には違うかもしれないと思ったのですが、どんどんなじんできたんです。文房具に関しても、その時の自分に合ったものがあるので、日々更新しています」(はあちゅうさん)

 池田さんは、手帳を書くときには4色ボールペンが欠かせないのだそう。

 「ラミー2000(ラミー)という4色ボールペンを10年以上使っています。私は手帳に書くすべての予定を4色で分けているんです。赤が種まき、緑が食いぶち、青が日課、黒が思いつきです。4色ボールペンは気持ちが上がらないデザインのものが多くて、嫌だなと思っていた時にラミーを見つけました。ラミーはインクの粘度が強いので、インクはジェットストリームを入れています」(池田さん)

 ノートは「ノーブルノート」(ライフ)を10年近く使っているそう。気に入ったアイテムを使い続けるところは、はあちゅうさんと違うものの、「テンションが上がるものを使う」ことを大切にしている点は、お二人とも共通していました。