読者の皆さんの中にも、ランチは「お弁当派」という人も多いのではないでしょうか。でも暑い時期は食中毒が心配。そこで、知っているつもりでも意外と知らない、調理器具の除菌方法を紹介します。

菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」

 ランチは「お弁当派」という人も多いでしょう。でも、せっかく作ったお弁当が、お昼ごろには変なニオイが……なんて傷んでしまった経験はありませんか?

 そこで夏でもお弁当を安心して作って食べられるよう「調理器具の除菌方法」「調理のコツ」「お役立ちグッズ」などをシリーズでお届けします。第1回は「衛生編」の正しい知識について、東京都健康安全研究センター、ライオン快適生活研究所、ミツカン広報部に教えていただきました。

特にこの時期は菌が繁殖しやすいのです。あなたのお弁当、大丈夫ですか? (C)PIXTA
特にこの時期は菌が繁殖しやすいのです。あなたのお弁当、大丈夫ですか? (C)PIXTA

 読者アンケート(日経ウーマンオンラインにて2018年6月1日から28日まで実施したWebアンケート、有効回答数536名)では、お弁当の傷みを防ぐため、「まな板と包丁は使う前に除菌スプレーをする」「素手で触らない。保冷剤を入れる」など、各自さまざまな工夫をしていましたが、実際はどのような予防対策をすれば万全と言えるのでしょうか?

 「実は統計上は『食中毒は特に夏場に多い』ということはなく、1年を通じて起こります。ただ夏は気温が高く、菌が繁殖しやすくなるため注意が必要。食中毒を予防するには『菌を付けない増やさないやっつける』の三原則を守るのが何より効果的です」(東京都健康安全研究センター・小川正さん)

 この三原則を守るため、まず必要となるのは「手洗い」や「調理器具の除菌」といった衛生面。具体的にどうすればよいか、順番に見ていきましょう。

食中毒予防の三原則は「菌を付けない、増やさない、やっつける」 (C)PIXTA
食中毒予防の三原則は「菌を付けない、増やさない、やっつける」 (C)PIXTA

手洗い

手は2回洗い タオルで拭くのは要注意

 調理前、調理中に生の肉や魚を触ったとき、食事前、残った食品を保存するとき──いずれのときにも必要となるのが「手洗い」。食中毒予防には原因となる菌を「洗い流すのが効果的です。

 「せっけんを付け、手は2回洗いしましょう。指輪や時計は外し、爪の間や手首までよく洗います。拭くときはキッチンペーパーや紙タオルのほうが安心。タオルで拭く場合はこまめに取り替え、清潔さを保ちましょう。できれば台所で洗うのではなく洗面所で。もちろんトイレの後の手洗いはしてくださいね」(小川さん)

<手洗いのポイント>

・せっけんを付け、2回洗う

・指輪や時計は外し、爪の間や手首まで

・拭くときはキッチンペーパーや紙タオルを使おう

・タオルで拭く場合はこまめに取り替えること

・トイレの後の手洗いも忘れずに