スマホで気になるニュース記事を読みながら、地図アプリを確認しながら歩いていませんか? スマホを操作しながら歩行したり、夢中になりすぎて周囲が見えなくなってしまうと、駅のホームからの転落事故や衝突事故以外にも、さまざまな犯罪に巻き込まれる引き金になることも。そこで今回は、普段から気を付けるべきポイントをお伝えします。

【調査概要】
◎日経ウーマンオンライン上で読者を対象に実施
◎調査機関:2018年4月2日(月)~4月22日(日)
◎有効回答者数:283人

「ながらスマホ」は盗撮や痴漢の標的になりやすい

 メールの返信をしたり、ネットで検索したり……、ついスマホを操作しながら歩いてしまったこと、ありませんか? 駅など公共の場でスマホの操作に夢中になりすぎて、周囲に注意を払えなくなってしまうとトラブルに巻き込まれてしまうことも。まずは、日経ウーマンオンラインの読者を対象にアンケートを実施しました。最初の質問は「駅のホームや道路など、公共の場所で歩きながらスマホを使ったことはありますか」というもの。調査の結果、66%の読者に歩きスマホの経験があることが分かりました。

駅のホームや道路など、公共の場所で歩きながらスマホを使ったことはありますか。
駅のホームや道路など、公共の場所で歩きながらスマホを使ったことはありますか。

 この結果について、ALSOKの瀬戸拓郎さんに話を伺いました。

 「駅の構内やショッピングモールといった公共の場所は、スカート内の盗撮被害が最も多く発生している場所です。スマホに夢中になって周囲への注意が散漫になっている人は、盗撮犯のターゲットになりやすいといえるでしょう。歩くときだけでなく、ホームで電車を待つとき、つり革を持っているとき、エスカレーターに乗るときなどは、背後への警戒を怠らないようにしましょう」(瀬戸さん)

 なお、盗撮に使われる機器は「スマートフォン・カメラ付き携帯電話」が7割以上を占めているとのこと。背後にスマートフォンを操作する人の気配があったときは要注意といえるでしょう。

 続いて、同じくALSOKの渡辺文子さんに電車内での注意事項を聞いたところ、「被害に遭わないためには女性専用車両に乗るのが最も安全です」。それができない場合、電車の中では痴漢に遭いやすい「車両の中央」や「ドアの脇」を避け、なるべく出入口付近に立つことが大切だそうです。

 「ドアの脇と座席の間のスペースは、男性が前に立つと身動きがとれなくなってしまう危険な場所です。ホームでは最後尾に並び、乗車後はドアのすぐ前に立つよう心掛けましょう。先に乗っている人の向きによっては多少気まずさはあるかもしれませんが、ドアに背を向けて立つと、視界に入らない背後から狙われる可能性が下がり安心です」(渡辺さん)

 混雑した電車内では、立ち位置に注意したいですね。しかし、万が一痴漢に遭ってしまったら、どうしたらよいのでしょうか。渡辺さんは、丁寧な言葉で「やめてください」と叫ぶことが大切だと話します。

 「『やめてよ』という言い方をすると、周囲に友達同士だと勘違いされてしまう可能性があります。あえて丁寧な言葉を選び、自分が被害に遭っていることを周囲に伝えましょう。また、助けを求める相手を『青いネクタイをしているあなた』というふうに、具体的に指定すること誰か一人に絞るのもポイントです。当事者意識を持ってもらえるよう、目を見て被害を訴えましょう」(渡辺さん)

 もし声が出ない場合は、防犯ブザーも有効です。万が一のときは勇気を出して周囲に助けを求めましょう。