新年度がスタートして1カ月余り。生活リズムも落ち着いてくる頃です。でも同時に、それまで張り詰めていた緊張がほどけることで疲れやストレスを感じる人も多いかもしれません。どちらもため込まないことが大切。ストレスを上手に解消しているでしょうか。2018年4月17日に、「ストレスオフ」について研究、セルフケアを提案している化粧品販売のメディプラス(東京・渋谷区)が、都道府県別の女性の「ストレスオフ県ランキング」を発表しました。また、セミナーが開催され、ストレスの上手な解消法などが紹介されました。

自然や家族とのバランス、心地よい居場所を持つ「愛媛県女子」

 ストレスと一口に言っても、いろいろあります。仕事、友人とのコミュニケーション、家族のこと、自然環境、居住環境、そして金銭面など。それらが心身に負担をかけ過ぎず、上手に付き合っていければベスト。「ストレスオフ」とは、そんな心身の負担が蓄積して起こるストレス性疲労をオフにして、心も体も健やかな状態になることなのだそうです。

 「ストレスオフ県ランキング」とは、メディプラス関連の研究機関であるメディプラス研究所が、全国の20~69歳の女性7万人を対象に調査して結果を都道府県別に数値化したもの。この調査は2016年から続いています。2018年のランキングで1位になったのは、愛媛県でした。

愛媛県、静岡県、佐賀県が最もストレスが少ない 出典/メディプラス研究所
愛媛県、静岡県、佐賀県が最もストレスが少ない 出典/メディプラス研究所

 愛媛県に続き、静岡県、佐賀県、島根県、長崎県、熊本県、岡山県、滋賀県、鳥取県……と西日本が次々とランクイン。東日本は10位にようやく青森県が入りました。

 1位になった主な理由は、愛媛県在住の女性は、通勤時間や子どもの教育に対するストレス、仕方なくやらされているという「やらされ感」が他県よりも少ないこと。また、温暖な気候や、海や山などの自然が身近にあること、災害が少ないことから、地域に対する満足度が高いという結果が出ました。

 メディプラス研究所の顧問を務める、東邦大学の名誉教授、医学博士である有田秀穂さんは、「愛媛県の女性は、自然が生活の近くにあり、アウトドアでのガーデニングが盛んなことから太陽を浴びる機会が多い」と説明します。また、デジタルストレスの大きな要因とされるブルーライトを避ける傾向があり、「光との付き合い方がうまい。程よい日光浴は気分を安定させるセロトニンという物質が生成される大切な要素。これがストレスを解消することにつながる」(有田さん)。

愛媛県の女性は、職場への通勤時間や職場の上司との人間関係、子どもとの関係などに、全国に比べてストレスが少ないことが分かった 出典/メディプラス研究所
愛媛県の女性は、職場への通勤時間や職場の上司との人間関係、子どもとの関係などに、全国に比べてストレスが少ないことが分かった 出典/メディプラス研究所

 2位の静岡県の女性のストレスオフのポイントは、温泉などが多いことから湯船で体を温める習慣が定着していること、運動をする環境が整っていて運動習慣があること。3位の佐賀県の女性のストレスオフポイントは、他県よりも平均睡眠時間が長いこと、デジタルに対するストレスが少ないことが挙げられました。