日本テレビ解説委員として夕方の報道番組「news every.」に出演中の小西美穂さん。時事の疑問に答えるコーナー「ナゼナニっ?」での分かりやすい解説が好評を集めています。報道記者を経てキャスターとなり、各界の第一人者をゲストに迎える討論番組などを経験。多くのゲストを迎えながら生放送で「いかに相手の言葉を引き出すか」のスキルを磨き続け、これまで番組でインタビューした人数は1700人超。ほとんどが初対面だったそうです。
 そんな小西さんのコミュニケーションの極意を集めた初の著書「3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)に注目! 働く女性がより自分らしく、周りも気持ちよく巻き込みながら仕事を楽しむポイントを教わるべく、日経ウーマンオンラインの取材チームは「news every.」の収録現場に向かいました!<第2回>

 ホンモノの神対応を取材現場で見せてくれた第1回はこちら
→ 「これが3秒で心をつかむ「ほんわかコミュニケーション」

本番前の小西さん。原稿を手に、短い時間の中でリハーサルに集中
本番前の小西さん。原稿を手に、短い時間の中でリハーサルに集中

――「人は誰でも自分の話を聞いてもらいたいもの」というお話がありましたが、その気持ちをキャッチすることがコミュニケーション上手になる第一歩ということでしょうか?

 本当にそう思います。「人に話を聞き、伝える」という仕事をやってきた中で得た教訓はいくつもありますが、その中でも常に心得ていようと意識しているのは、「人は自分の話を聞いてほしいもの。そして、人の話は自分が思っているほど聞けていないもの」ということなんです。

人は意外と、人の話を聞いていない

――「聞いているようで聞いていない」と?

 はい。私自身の失敗から得た学びですが、人の話を聞きながらも、内心では「話が途切れたら、何を話そうかな」と考えていたりと、相手の話に集中できていないことって結構あるんですね。すると、相手の話を十分に受け止めないまま、全く方向違いの質問をしてしまったりする。

 女子会でもこんなこと、ありませんか? 集まった4~5人全員が自分の話をしたいものだから、全く話がかみ合わない(笑)。やっと自分がしゃべれる順番が来た!と思ったら、オチまで言っていないのに、誰かが割り込んで話題を飛ばし、さらに飛ばされ……「あーあ、あのオチ、もうしゃべれないなぁ」と消化不良感が残る。まぁ、そのかみ合わなさが女子会の楽しさでもあるのですけれど、「結局何が言いたかったのか」までスッキリ話せるように聞いてあげたほうが、その時間に対する満足感がより高まると思うんです。

 「あー、言いたいことが言えて楽しかった!」という満足感が、「あの人がいてくれると楽しい。また会いたい」という好感につながっていくはずです。

「言いたいことが言えて楽しかったーと思ってもらいたいですよね!」
「言いたいことが言えて楽しかったーと思ってもらいたいですよね!」