「今の仕事を続けていていいの?」「結婚や出産でキャリアが途切れるのが不安」「仕事と子育ての両立が心配……」など、働く女性に悩みはつきもの。一方で、この悩みを解消して前に進むためには、「決断力」を持つことも大切です。そこで、25歳のときから21年間、女社長として「働く女性の成功・成長・幸せをサポート」してきた川崎貴子さんに、決断力を磨くコツやポイントをうかがいました。

  前編はこちら⇒ 乳がんを経験した川崎貴子さんに聞く 決断力の磨き方

今の仕事を続けるべきか迷ったときには?

川崎貴子

1972年生まれ。リントス代表取締役。25歳のときに、働く女性のための人材コンサルティング会社・株式会社ジョヤンテを設立。以来、一貫して「働く女性の成功・成長・幸せをサポート」する仕事に携わり、人材紹介事業や教育事業、女性活躍支援コンサルティング事業などを展開。現在は、リントス代表、株式会社ninoya取締役、ベランダ株式会社取締役。2017年9月に、自身の乳がん体験を記した書籍「我がおっぱいに未練なし」を上梓。

 働く女性なら、誰しも「このまま今の仕事を続けていていいんだろうか……」と、キャリアに悩んだ経験があると思います。でもそんなときには、一度ゆっくり、自分の「欲望」を考えてみてください。「欲望」を知ることは、自分が人生の中で強く望んでいることを知り、人生の目的を明確にすることでもあります。

 自分の欲望が「登山」をすることで、人生の目的が「全国の山を制覇すること」だという場合は、仕事は登山をするための手段だと言えます。すると、登山費用を稼ぐために、割り切って仕事をするという決断もできるはずです。一方、人生の目的が「仕事で成功すること」だという場合には、「今の会社で働き続けて、自分が望む成功を手に入れる方法があるのか?」と考え、なければ転職をするという決断もできます。

「欲望」は書いて可視化し、どんどん口に出す

 「欲望」を見つけるときには、紙やノートに書くことがポイントです。頭の中で想像するだけでなく、可視化できるように「書く」こと。例えば「1年後にはこうなっていたい」という理想の姿をノートに書いて、そこから逆算して、今何をするべきかを考えてみる。また1年後だけでなく、10年後の理想の姿を考えるのもよいですね。続けていると、欲望もだんだんと明確になり、迷っていることを決断するための判断基準になります。

 そして欲望は言語化して、どんどん口に出してください。こんな人と結婚したいという欲望がある場合には、理想の男性像を周りの人に伝えてみる。「私は理系の眼鏡男子が好きです」と言い続けていたら、「そういえば、私の会社に独身の理系眼鏡男子がいるよ」と、紹介してくれる可能性も高くなりますからね。