決断をしていくことで見えてくるものは?

「女性には、自分の弱みではなく“強み”に自覚的になってほしいですね」
「女性には、自分の弱みではなく“強み”に自覚的になってほしいですね」

 決断をしていくと、自分に関するデータがたまります。自分が失敗するパターン、間違えるパターンなどが分かってくるので、そのデータを基に、徐々に判断の精度を上げていくことができるのです。

 たとえ決断をしても、間違えるときは間違え、失敗するときは失敗します。これはもう、絶対にそうです。しかし大切なのは、失敗しないことではなく、バッターボックスに立ち続けること。立ち続けていると、どういうボールが来たときに自分が三振をするのか、パターンがだんだんと分かってきます。だから三振をしたとしても、毎回バッターボックスに立ち続け、バットを振る。挑戦し続けることが大事なんです。

いつもより楽観的になってバッターボックスに立つ

 迷いがち、悩みがちな女性は、非常に優秀であるにもかかわらず、バッターボックスに立とうとしないことが多いように思います。彼女たちは、10のことができて初めて、「1できます」と言う場合が多い。自分に課しているハードルが高くて、「あの子に任せたら完璧にこなすよね」と言われる状態を想定しているんです。でも、たとえ1しかできなくても、「10できます。やります」と言ったほうがよい。なぜなら、元が真面目で優秀なんだから、10できると言ったからには努力するでしょうし、背伸びをすることで、実力が追い付くこともあるからです。

 いつもより少しだけ楽観的になって、「失敗してもいいや。何事も経験、経験」とつぶやきながら、バッターボックスに立ってみてください。「この子は失敗しても大丈夫。すぐに起き上がって、またバットを振り始める」と周りに思われたほうが、きっとチャンスもたくさん巡ってくるはず。そしてバッターボックスに立ち続けると、自分の成功パターンや失敗パターンのデータもたまって、大事な場面での決断もしやすくなりますよ。

聞き手・文/青野梢 写真/小野さやか(インタビュー)

「我がおっぱいに未練なし」
 著:川崎貴子
 出版社:大和書房

 ■Amazonで購入する