どんなに頑張っても離れてしまうものとの折り合いの付け方

 「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズでは、親友関係の描写も「あるある」と頷かずにはいられないところ。いつも一緒にいた仲良し3人組も、最新作ではそれぞれ家庭を持ち、以前のような付き合い方は出来なくなってしまいます。就職や結婚を機に変化する「友人との付き合い方」。多くの女性が、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

 「私の大親友も40歳で結婚して子どもを産んで、私から離れて行ったの。彼女とはアマゾンまで行って、ひとつの歯ブラシを一緒に使うほど仲が良かったのに!」

 寂しくはなかったですか? と伺うと、「それでも、新しい幸せは見つけられるでしょ? だって、そういう変化こそが人生だし、常に私たちは幸せを求め続けていいはずよ」と笑顔で語るレニーさん。幸せになっていい。これ以上に勇気がもらえる素敵な言葉はありません。

素顔のレニーさんは、明るくてとってもキュート。ますますファンになりました
素顔のレニーさんは、明るくてとってもキュート。ますますファンになりました

 出版社、テレビ局のレポーターを経て、最新作ではニュース番組のプロデューサーまで上り詰めていたブリジット。しかしベテランの域に達しながらも、年下上司から「センスが古い」と言われる始末。レニーさん自身も女優として仕事をしていくなかで、変化したことはあったのでしょうか。

 「仕事においても同じ。変化に順応したり、これまで取り入れなかった新しい情報や意見を求めたり。視点を変えるきっかけだと考えて、その環境が自分にふさわしいかを考える時期なのかもしれない……ってね。私もブリジットを演じて、実の人生に反映していることはたくさんあるわ」

 年を重ねると、むしろ頑固になって人の意見に耳を傾けられなくなったりすることもある。人生は毎日ハッピーなことばかりではないし、凹む日もあるけれど、ブリジットのようにポジティブでいつも素直でいることが大事だと、目の前のレニーさんも教えてくれたのでした。

 最後まで、映画のなかのブリジットのような、常に明るくてチャーミングな笑顔だったレニーさん。4作目があったら? と聞くと「それは誰にもわからないけれど……あるならもちろん、出演するわ」。私たちはまた、ブリジットから学べる日が来るかもしれません。

*こぼれ話*
ブリジットのような愛されキャラになる近道を教えてください、と伺うと「それは……まずイギリスなまりの英語を身につけるために、ダイレクトコーチを雇うこと! いまなら彼らはオフだから、紹介するわよ。そして、ロンドンで短いスカートを買うことね」。なるほど、あとはシースルーのブラウスですよね……って、こちらもついノってしまうほど、レニーさんのおちゃめなブラックジョークまで聞けたインタビューでした。

取材・文/永井勇成 写真/小野さやか

「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」
出演:レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、パトリック・デンプシーほか
監督:シャロン・マグワイア 脚本:ヘレン・フィールディング、エマ・トンプソン、ダン・メイザー
原作:ヘレン・フィールディング 配給:東宝東和 (C) Universal Pictures.
製作年・製作国:2015年 UK
URL:http://bridget-jones.jp/