ネットニュース編集者として、大きな注目を浴びる中川淳一郎さん。大学卒業後は博報堂に就職しながらも、4年でサラリーマン生活に見切りをつけ無職に。年収60万円からネットニュース編集の仕事を機に飛躍。今年5月末には『仕事に能力は関係ない。27歳無職からの大逆転仕事術』(KADOKAWA)を上梓。その怒涛の仕事人生と、事務職OLがフリーランスを目指す際の心得を伺った。

事務職OLでもフリーランスになれる

中川淳一郎さん
中川淳一郎さん

 専門職ではない、事務職の人がフリーランス(以下フリー)になるならば、オレはフリーライターや編集者が向いているのではないかと思う。というか、他の仕事は分からないので……。文章なんて誰でも書ける。オレは、全く経験もないのに雑誌のライターという仕事をもらって、フリーの人生を始めることができた。今では、会社にそのまま勤めていたらもらえただろう給料以上の収入がある。

 会社員の場合、収入には上限がある。それが、フリーであれば、うまくいけば予想外に年収が上がる。オレは、フリーになってからライターとして限界まで働いて3年目以降はだいたい年収700、800万円台を維持してきたんだけど、6年目に1700万円にはねあがった。ネットニュースの編集の仕事をするようになったのがきっかけだ。

 ライターや編集者になるのに、文章を書いたことがある、編集の仕事をしたことがあるといった経験は全くいらない。専門職の人でなくても、例えば半導体メーカーで事務をやっていた人ならば、業界関係のライターになれる。オレが半導体業界のライターをやろうと言ったって無理だけど、「○○社にいました」と言ったら、それだけで売りになる。分からないことは、勤めていた会社で詳しい人に教えてもらえばいい。

 オレは随分前の国政選挙でとある政党の仕事をしたんだけど、そうしたら政治に詳しい編集者ってことになってしまって。全然詳しくなんかないのに、それから次々と政治関連の仕事がきた。実績を作ればその後の仕事も来る。最初ははったりで仕事を受けちゃえばいいんだ。

 ネットニュース編集の仕事も、ネットのことなんて全然詳しくなかったけど、「雑誌編集の経験があるなら大丈夫ですよ」って仕事を依頼された。そのうち、ネットに詳しい人ということになってさ。あの人コラムも書けるらしいよ、なんてことになって、どんどん仕事が広がっていった。