せっかく入ったメーカーを退社後、縁あって始めた英語ニュースのアナウンスと翻訳の仕事。「何かをしたい」という強い目的意識はなかったが、英語という特技を通じて、少しずつ日本のことを理解し、日本語を習得できることがうれしかった。

 28歳のとき、当時、留学していた夫と米国・ワシントンで結婚。博物館でボランティアをしたり、大学で短期の学科を受講したりしながら、日本の知り合いから頼まれれば取材リサーチの仕事をする、時間的にも精神的にもゆとりのある日々を過ごす。

 その後、夫が働き始めたニューヨークへ。NHKの報道番組のためのリサーチを頼まれるようになり、取材の下準備や現地取材のコーディネートを引き受けるようになった。