大江 少額投資非課税制度(NISA)よりも節税効果が大きいんですよ。まず、掛け金分が所得控除になり、所得税と住民税が減ります。さらに、投資で得た利益に通常かかる約20%の税金が非課税となる。そして、60歳以降に受け取る際にも退職所得控除や公的年金等控除制度の対象になります。

井戸 2017年1月から現役世代のほとんどの人が対象となり、公務員や専業主婦を含め、20歳以上60歳未満の方ほぼ全員が使えます。働き方や会社の制度によって掛け金の上限が異なるので表でチェックしてください。

自分の個人型確定拠出年金の上限をチェックしましょう
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安原 運用益が非課税のメリットを生かすなら、この掛け金で投資をするのがお勧めですか?

大江 iDeCo(イデコ)で利用できる商品には、元本確保型の定期預金または保険、そして投資信託があり、自分で選んで運用します。運用は苦手という方は定期預金でもいいんですよ。加入している間は所得税や住民税が安くなる節税効果がありますし、足元の預金金利はほぼゼロですが利息は非課税で丸々手に入ります。もちろん、投資信託を使って投資を始めたいという人にとっても、一般の証券口座を使うよりも、iDeCo(イデコ)を使ったほうがずっとお得です。

安原 ただし、iDeCo(イデコ)で積み立てたお金は60歳まで引き出せないことは注意が必要ですね。フリーランスの場合、掛け金の上限は月額6万8000円ですが(国民年金基金の掛け金と合算した上限額)、マイホーム購入など60歳より前にまとまった資金が必要になる可能性があれば、それは、iDeCo(イデコ)とは別枠で積み立てないと。