「親世代の常識」は「私たちの非常識」といえるほど、社会情勢は日々変わってきています。これからの時代、アラサー女子が目指してはいけない「3テーマ」についてセゾン投信社長の中野晴啓さんにインタビューを敢行しました。最終回のテーマは「人並みに生きる」です。聞き手は、働く女性のマネー事情に詳しいFP(ファイナンシャル・プランナー)の高山一恵さんです。

『定年退職』という未来 期待してはいけないその理由」(1月25日公開)
『65歳までの貯蓄目標』 意味を無くした理由」(1月26日公開)
「『人並みに生きる』 目指してはいけないその理由」(この記事)

「普通」から一歩踏み出す勇気を持つためには…? (C) PIXTA
「普通」から一歩踏み出す勇気を持つためには…? (C) PIXTA

親からの教育は「人並みに生きる」こと

高山さん(以下、敬称略):今回のテーマは、「人並み・普通」についてお聞きします。

中野さん(以下、敬称略):日本人は「人並み」とか「普通」が好きですよね。特に僕たちの親の世代は、「人並みに生きる」ことをよしとする世代なので、親から「普通に生きなさい」と教育されてきた人は多いのではないでしょうか。僕も親からとにかく普通に生きろと言われてきました。

高山:今の中野さんを見ていると信じられませんね! 私も親から普通に生きることが幸せだよと言われてきました。特に女の子なんだからいい男性を見つけて早く結婚して、家庭をしっかり守ることって言われてきましたね。まさに時代と逆行した考え方ですよね(笑)。

中野:そうですね。日本では、特に「みんなと同じが安心」という意識が強いので、出るくいは打たれるじゃないですか。そもそも日本の金融機関だって昔は「護送船団方式」といって弱小の金融機関に足並みをそろえ、過度の競争を避けて金融機関全体で存続できるようにしてきたわけです。つまり、個人も企業も同一がよかったわけですよ。