10代から女優として活躍し、「仕事でも年々プレッシャーを感じる立場になっている」と言う28歳の吉高由里子さん。明るく前向きな彼女を支えているのは、日々の時間の使い方でした。

たとえうまくいかなくても、行動すれば自信につながる

 「こんなに短く切ったのは、子供の頃以来かも(笑)」。肩口で軽やかに揺れる髪に触れながら照れくさそうに笑う吉高由里子さん。

 長かった髪をバッサリ切ったのは、1月スタートのドラマ『東京タラレバ娘』の役づくりのため。東村アキコさんの人気コミックを実写化したこの作品で、吉高さんは恋も仕事もイマイチな主人公、倫子を演じる。幸せになりたいともがきながら、「あのときこうしていれば」「理想の男性が現れたら」と“タラレバ”ばかりを繰り返し、行動できない。

 現在28歳で倫子と同世代の吉高さんも、作品の内容に「共感する部分が多い」と話す。「女同士で集まると“もし~なら”と無意識に言っちゃいますよね。臆病になって踏み出せない気持ちもよく分かります」。

実生活では“タラレバ”はしない主義 写真/柴田文子
実生活では“タラレバ”はしない主義 写真/柴田文子

 だが、実生活では“タラレバ”はしない主義。意識を変えたのは9年前の出来事だ。「初めての主演映画『蛇にピアス』の撮影が始まる直前、交通事故に遭い、意識不明になったんです。そのとき“明日何が起きるか分からない、後悔しないように思ったことはちゃんと伝えよう”と痛感したんです。たとえうまくいかなくても、行動できたことが自信にもつながると思うから」。

 それまで仕事に対して“どこか冷めていた”という吉高さん。事故を経験してから、監督や共演者、現場のスタッフと深く関わりながら作品づくりをすることで、仕事がどんどん広がっていった。

 「ドラマ『東京DOGS』で共演した小栗旬さんや水嶋ヒロさんが監督や役者さんとすごく話し合っていたり、映画『GANTZ』で二宮和也さんがスタッフさん全員の名前を覚えていたりしたことにも刺激を受けて、自分もそんなふうに現場にいたいなと。実際、スタッフさんの名前を覚えて呼ぶようにしたら、距離が縮まり、現場がグッと楽しくなりました」。