「これはおかしい」と感じたら、どうすべき?

 長時間労働はおかしい、セクハラは許せない、という気持ちは「空気を読めない」のでも「意識高い系」でも「頭が硬い」のでもなく、人が人間らしく生きるための当然の主張。

 今まで私たちが「当たり前のことを言うのはダサい」と思い込まされてきたのは、いったい誰が得をするためだったのか? その考え方が、今まであなたを幸せにしたのか? よく考えてみてください。

 男性も女性も、これはおかしいと思ったら声を上げる。労働組合に相談するのでも、人事に相談するのでも、社内で署名を募るのでもいい。ブログやSNSで発信するのもいいでしょう。世の中で「常識」とされている働き方やハラスメントにNOということが、いま何よりも大事です。長時間労働も野放しのハラスメントももう「常識」じゃないと、世の中の空気を変えなくてはならないのです。誰かがやってくれるのを待つまでもなく、あなたがすぐにでもできることなのですよ。

 まず、思ったことを言う習慣をつけること。それを怖がらないことです。女性が意見を言うこと自体がまだ珍しい社会ですから、誰かの意見と違うことを述べたり質問したりしただけで「喧嘩」「ヒステリー」「生意気」と言われます。

 でもそれは、意見を述べる女性や議論を見慣れていない人々が不安を感じ、貧困なボキャブラリーの中からその程度の言葉しか選び出せないというだけのこと。真に受ける必要はないのです。リテラシーのない人たちの揶揄に怯えて口をつぐまないで。

 2020年度からの新学習指導要領では小学校から「アクティブ・ラーニング」を強化すると謳っている日本ですから、活発な議論や自発的な質問に、大人も慣れておかなければなりませんしね。