国会議員の妻の出産に伴い、「育休宣言」をしていた衆議院議員の宮崎謙介氏。このニュースは働く女性の間でも話題になりました。男性議員による育児参加にエールを送る人、国会の会期中に育休を取得することに異議を唱える人、さまざまな反応がありました。そんななかで、宮崎氏のまさかの女性問題が浮上。2月12日に記者会見を行い、宮崎氏は不祥事について説明し、議員辞職を発表をしたものの、歯がゆさのある記者会見だと感じる人も多かったのでは。改めて、健康社会学者の河合薫さんに考察していただきました。
いったいアノ“半泣き会見”は、何のための会見だったのだろう?
はい、そうです。先週金曜日に行われた、“ゲス不倫”議員の記者会見である。
「動揺して、とっさにウソをついた。『どうにかして、ごまかせないものか』と思ってしまった」
「会ったのは3回。京都が最後」
「未熟な人間としての欲がまさった」
「2月6日の夜、一部始終を説明して、謝罪した」
「夫として、一生かけて償っていく」
「35年間生きてきた中で、いろんな方を傷つけてきた」
って?
ふむ。「自分の女癖の悪さ」を話すための会見だったのだろうか?
「信なくば立たず。自らの主張と軽率な行動のつじつまが合わない。深く、深く、深く反省し、議員辞職をする決意を固めた。私はバッジを付けている資格のある人間ではない」って?
お言葉を引用された孔子さまも、いい迷惑だぞ。「主張と行動のつじつま」って、どういうこと?
申し訳ないけど、私にはこの記者会見の意味が、最後の最後までちっとも分からなかったのである。
「何言ってんだよ! 彼は彼を応援した人の期待をうらぎったじゃないか!」
「そうだよ。育児をダシに休んで、不倫しようだなんておかしいでしょ!」
「こういうことやると、ますます男性が育児休暇を取れなくなるじゃん!」
確かに。そのとおりだ。
でも、彼が記者会見をきちんとすべきは、“ゲス不倫”(なんどもすみません)事件なんかじゃない。
では、どうするべきだったのか。