1回限りのつもりでインターネットの通信販売を利用したら、実は定期購入の契約だった——そんなトラブルが後を絶たないという。いったいどんな手口なの? 解約できないってホント? 被害を未然に防ぐために、実態と対処法を知っておこう。

30〜40代女性の相談が多い! その被害の例とは?

 「あの有名女優やモデルが愛用」「夏までに○キロやせる!」——SNSで目にしたダイエット食品の広告に興味を持ち、サイトをクリックしたA子さん。「お試し価格500円」の表示に惹かれ、気軽な気持ちで商品を注文した。しかし、届いた商品を試したところ、効果を実感できず、さらに下痢が続くなど体に合わなかったことから使用を断念。

 問題が起きたのは、その1カ月後。A子さんの元に、再び同じ商品が送られてきたのだ。しかも、同梱されていた請求書には8000円の金額が。驚いたA子さんが同封された書類を読んだところ、「最低4回以上の継続が条件となっています」と書かれており、初めて定期購入の契約だったことに気づいた。慌てて業者に連絡するものの、「定期購入中は解約ができない条件となっている」と言われ、なすすべもなかった。結局、解約に応じてもらず、A子さんは総額3万円もの金額を泣く泣く払うハメになったという。

想定外の支払い被害、どうしたら防げる…? (C) PIXTA
想定外の支払い被害、どうしたら防げる…? (C) PIXTA

通販の定期購入に関する相談件数が急増!

 1回だけの「お試し」のつもりが、実は定期購入の契約だった——。ネット通販に関するこうしたトラブルは年々増えている。国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられた2016年度の相談件数は1万4314件で、2011年度(520件)の約27.5倍まで増加。2017年度には4〜10月だけで7814件に達した。なかでも多いのが、30〜40代の女性からの相談だ。

 「ダイエットやバストアップの効果をうたったサプリメントや青汁などの健康食品、脱毛スプレーなど、美容や健康に関する商品が多いのが特徴です。最近では男性向けの筋肉 増強サプリメントや化粧品も増えています。格安価格や初回は送料のみなど実質無料を強調しているものの、実際は“4カ月以上の継続”など定期購入が条件とされており、2回目に商品が送られてきたタイミングで気づくケースが多い」(国民生活センター)