理想的なワークライフバランスとは

ニケ ワークライフバランスとは、「仕事と生活の調和」です! 残業を減らして、家庭生活の時間を増やして、24時間が仕事と生活の半々にして、「ワークライフバランスを取れ!」って、うちの社長はよく言ってますよ。

カワイ そうね。一般的にはそう理解されているし、ワークとライフが50:50になればいいと思っている人は多い。でもホンモノのワークライフバランスって、そういうことではありません。

 「仕事にも100%満足できて、家庭生活にも100%満足できるような欲張りな生き方が可能な社会」を目指すこと。

 人生の中では、思いっきり仕事だけに打ち込みたい時期もある。同じように家族のため、子どものために無我夢中で頑張りたい時期もある。

 仕事のプライオリティーが高い時期には、思う存分、時には残業したり、休日出勤を繰り返したりしながらでも、「家庭生活を失うことなく」仕事に打ち込むことができる社会。

 一方、家庭生活のプライオリティーが高い時期には、「キャリアを脅かされる心配なく」仕事の時間や量を減らせるような働き方。

ニケ なるほど! そうやって考えてみると、部下の女性の気持ちがなんとなく理解できるかも。

カワイ 相談者の男性が本当に女性部下を大切に思うなら、彼女が「仕事」のボールをかつてのようにポ~ンと高く上げるまで、彼女の手の中にあるボールが落ちないように見守ってあげればいい。

ボールをポ~ンと高く上げて…… (C)PIXTA
ボールをポ~ンと高く上げて…… (C)PIXTA

 「あいつは子どもを産んでダメになった」とか、「女は子どもを産むとキャリア意識が下がる」とか、レッテルを貼ることだけは、絶対にしないでほしいです。

 それによくキャリア意識が高いだのなんだのいうけど、周りからは「キャリア意識が高い」と思われている人でも、「仕事にすべてを捧げたい」と思っている人は極めてまれ。ほとんどの人たちは、自分の能力をできる限り発揮したい。ただ、それだけです。

ニケ 同感です! だいたい「出世願望がある=キャリア意識が高い」って考え方自体、ダサいんですよね~!

カワイ (笑)ダサい……。いずれにしても、もし機会があったら、彼女に「子育てどうだ?」って奮闘ぶりを聞いてみてください。育児に必要な能力が、管理職のマネンジメントスキルに共通することに驚くと思いますよ。子育て、恐るべし! ですからね!

ニケ ん? なんで薫さん、知ってるの? ま、まさか、まさか~、まさかですよね? え~ッ!

カワイ また来週~。

文/河合薫 写真/PIXTA

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