「仕事は盗んで覚えろ」と突き放す職場で生き抜く方法

後輩ができたときのことを想像してみる

カワイ　以前、新社会人を入社前から入社半年後まで、追跡調査したことがあるの。そのときね、「仕事で分からないことがあったときに、すぐに聞ける人がいる」という人は、半年後のモチベーションがとても高くて、メンタルも良好でした。ところが、自分の仕事に役立つ情報を得られないような環境にいる人は、入社3カ月後から徐々に元気がなくっていき、仕事へのモチベーションも下がっていったの。

ニケ　うわぁ、すごい！ やっぱりみんな同じなんだ～。

カワイ　中には辞めてしまう人もいました。それって、会社にとって大きな損失ですよね。「仕事のやり方が分からない」というだけでメンタルが低下し、モチベーションが下がってしまうんですから。ニケさん、なんでそうなるか、分かる？

ニケ　分からないことだらけだと、「どうしていいのか分からない」というストレスの雨にやられてしまうからであります！

カワイ　ブーッ！

ニケ　ゲッ。ショック……。

カワイ　（苦笑）ホントは4分の1くらいは正解です。

ニケ　（ホッ）

カワイ　新人が組織に適応するのに、一番大切なことは「居場所を得る」ということです。それは「役割を明確化する」ことでもある。新しい環境で「自分が何をやったらいいのか分からない」という不安な状態は、「自分は居場所がない」と感じてしまうのと同じなの。

　なので、もし後輩ができたら、「仕事に役立つ情報」を与えることができる先輩になってほしいです。もちろん手取り足取り教える必要はないし、「聞く前に自分で調べて」と厳しくすることも大切です。でもね、人にとって「居場所がない」と感じてしまうことほど、むなしいことはないですから。

後輩ができたときのことを想像してみよう (C) PIXTA

ニケ　そうですよね……。ニケも確かに何をやったらいいのか分からないことが多かったけど、「それでいいよ」って、カエコ先輩が言ってくれてニケは救われたんですぅ～。

カワイ　30歳一般事務さん。あなたはもう30歳です。でもまだ30歳。自分でできること、やらなきゃいけないこと、人に頼ること、後輩ができたときにやるべきこと……。今回はいろいろと話しちゃったけど、参考にしてみてくださいね。ところで、カエコ先輩って？

ニケ　 カエコ先輩は大好きな先輩ですっ！30歳一般事務さん、頑張ってください！ ニケも応援してます！

カワイ　はい。ではでは、本日はこれまで。また来週～！

文／河合薫　写真／PIXTA