働かないオジさんの尻拭いは、もう嫌

(かんだ) 私自身は評価への不満はないのですが、役職が上のほうの人に、落ちこぼれているというか諦めてしまっている、いわゆる窓際族みたいな人がたくさんいるのが困ります。でも私なんかより給料は高いんですよね。それがもう、ムカつくっていうか、こっちのモチベーションが下がるっていうか。

(みずたに) そういう人たちが「もうやってられない」って投げた仕事が、いきなり私たちに回ってくるんですよね。

やまださん、38歳・研究開発職
やまださん、38歳・研究開発職
かんださん、31歳・商社営業職
かんださん、31歳・商社営業職

(かんだ) そう、そう! 頼むから働いてくれよ、って思います。でも、若い世代はそういう人を軽蔑するじゃないですか。私は、絶対にあんなふうにはなりたくないという一心で、余計に頑張ってしまいます。

(河合) 働かないオジさん問題ね(笑)。

(みずたに) 働かないオジさん、たくさんいますよ。しかも、そういう人って、他人の都合を考えず、「えっ、これ期限、明日じゃん」みたいな仕事を、平気で振ってくるんです。振られたほうは断れないし、やるしかないという状況になり、引き受ける。ところが、実際、蓋を開けてみると、「えっ、ちょっとこれ、この状態で振るのひどくない?」みたいな。

(河合) そういうときって、どうしているのですか。

(みずたに) 最初の頃は、仕方なしに2~3人ぐらいで手分けしてこなしていました。でも、何回も似たような事態が起こり、味をしめられると困ると思って、最近はCFOクラスに報告するようにしています。「これ明日までの案件なんですが、どうしましょう」と、副部長から上に言ってもらうんです。

(河合) 上司の上司に報告させるのね。賢い戦略ですね(笑)

(みずたに) あまり大ごとにしないほうがいいのかなって思っていたので、最初の頃は現場で判断して無理して引き継いだんですね。でも、翌日ケロっとした顔でオジさんが出社してきて、「申し訳ない」「ありがたい」という気持ちが一切ないってことが伝わってきました。このむなしさといったら、たまらないです。これは上に言うしかないなぁって。

(えんどう) 「ムチャ振りされるのは困ります」って言っても、きょとんとされちゃうんですよね。「えっ、何か問題でも?」みたいな感じで。

(みずたに) そうそう。しかも、うちの会社って、新卒を採用していないんですね。なので、私はいつまでも下。年齢は私より下の人もいますが、私は中途採用なので在籍年数的に下っ端なんです。そういった状況が続くと、自分が変わっていないような気持ちになってしまって、再び焦る。

(河合) 下が入らないのは、つらいわね。仕事内容も一切変わってないのかしら?

(みずたに) いえ、実際には上の人がやっていた仕事も引き継いでいます。要するに、業務量だけが増えるという悪循環です。それと雑用みたいなものも、結局、女性がやることになりがちなんです。男性は見て見ぬふりをしているので、やることだけが増えていく。本当はもっと自分の仕事に集中したいのに、それができない。このままだと自分はステップアップもできず、どうなるんだろうとモヤモヤするんですけど、そういうのって社内では相談できないし。雑用だけでも代わりにやってくれる下の人が欲しいです。

(えんどう) 「女性限定の仕事」って、ありますよね~。

(みずたに) あるある。

(やまだ) うちもあります。