日経ウーマンオンラインの連載・河合薫の「女性のリアル人生相談」も2年目になりました。この連載で最も読まれた記事は、悲鳴をあげる体と「女の賞味期限」でした。そこで、今回は趣向を変えて、健康社会学者の河合薫さんと読者4人が都内に集結、「女の賞味期限」について座談会を実施しました。全3回のレポートでお届け増します。今回は「結婚」について考察していきます。

座談会参加者の皆さん(登場順)
・やまださん、38歳・研究開発職
・えんどうさん、31歳・IT人事職
・かんださん、31歳・商社営業職
・みずたにさん、35歳・不動産広報職

「賞味期限」を突きつけられる現実

健康社会学者の河合薫さん
健康社会学者の河合薫さん

(河合) 今日はお集まりいただきありがとうございます。「女の賞味期限」という言葉にアラサーの皆さんが反応したのは、正直、意外でした。もう少し上のアラフォーくらいかなぁと思っていたんですね。でも、よくよく考えてみると、私自身もそうでした。いい意味でも悪い意味でも、29歳と30歳の間には大きな壁があったような記憶があります。そこで、もう少し読者の皆さんの生の声を聞いてみたくて、今回、「女の賞味期限」をテーマに座談会をさせていただくことになりました。よろしくお願いします。

(やまだ) 38歳、独身です。研究開発の仕事に携わっています。私はそろそろ賞味期限が切れる自分に焦りを感じていながら、何もしていないことに余計に焦りを感じています。

(えんどう) 31歳で、IT企業の人事をしています。今の会社は3社目で、キャリア、恋愛、結婚、すべて完全にモヤモヤ期です。おそらくいろんな「賞味期限」が来てるんだと思います。

 それと最近、試験勉強があって早起きして猛勉強してたんですけど、終わった途端、全く起きられなくなってしまい、体力面でも「賞味期限」をヒシヒシと感じています。

やまださん、38歳・研究開発職
やまださん、38歳・研究開発職
えんどうさん、31歳・IT人事職
えんどうさん、31歳・IT人事職

(河合) 私も30過ぎで「キタ!」って感じでしたよ。30歳過ぎた途端に、一晩徹夜すると3日間くらい使いモノになりませんでしたから(笑)。

(一同、笑)

(かんだ) 私も31歳で……、キテます(笑)。独身です。商社でM&Aなどを担当し、月1回は海外出張があり、「明日、海外に行け!」みたいなこともあります。男女の違いって生物学的なところだと思うんですけど、やはり出産という部分では、「賞味期限」がありますよね。そういう話ってなかなか友達同士ではできないので、座談会に応募させていただきました。

(河合) 生物学的と頭では分かっていても、気が付いたときには「もうムリ?」って、自分の年齢に驚くんですよね(笑)。

(かんだ) できればそうならないように……したいかな、と(笑)。

かんださん、31歳・商社営業職
かんださん、31歳・商社営業職
みずたにさん、35歳・不動産広報職
みずたにさん、35歳・不動産広報職

(みずたに) 35歳です。不動産関係の会社で広報や財務をやっています。私も3社目です。「賞味期限」という言葉は、やはり衝撃的です。日常では食事に気を配るなどしていますが、結婚の予定もないのでその辺もみなさんの話を聞きたいです。

(河合) 賞味期限というと、皆さんは出産や結婚というのをイメージするのかしらね。今日は、その二つを経験している連載の編集担当Sさんにも参加してもらっています。簡単に自己紹介を。

(編集S) はい、よろしくお願いします。私は44歳です。女の賞味期限というキーワードは、私にとっても切迫感がありました。39歳と41歳のときに出産をしました。初産では高齢出産と言われながらもそれほど大変ではなかったのですが、2回目のときはとても大変でした。30代と40代の大きな境目を感じています。「40代は体力がない」と言われないよう、日々奮闘しています。

(河合) では、私も簡単に。CAをやって、お天気お姉さんをやって、東大に行って、今、日経ウーマンオンラインで書いています。私は30代になって体は「キタ!」って感じでしたが、精神的には若い女の子を演じる必要がなくなって楽しかったです。40歳になるとき、40代の人から「40代はもっと楽しいよ」と言われました。そうですね、年を重ねるのも悪くないなぁと思っています。だんだんと年齢も数えられなくなってくるしね(笑)。

 では、まずは皆さんが「賞味期限」で真っ先にイメージした出産・結婚の話から進めていきましょう。男と女の違いは「生物学的」という刺激的な発言のあった、かんださん、いかがでしょう。

(かんだ) 結局、女性だけしかできないことって出産だと思うんですね。「産める時期」って年齢で限られてますよね。でも、そのことが分かっているのに、私は今の生活が充実し過ぎていてリアリティーが持てない。子を産んだ同期を見て、「このままでいいのかなぁ」と悩む自分と、「でも、分からないなぁ」という自分がいるんです。