認めてもらいたい福利厚生をリストアップ

カワイ 会社です。なので、どんなに「能力差はない!」と従業員が訴えても、会社側が「ある」といえばジ・エンド。

ニケ そ、そんな~っ。TOEICが何点とか、簿記2級とかなら仕方がないけど……。

カワイ 欧州の場合は、「均等」が基本で、均衡措置を取る場合には、明確な客観的指標が必要です。ところが日本は、実に曖昧なの。だいたい非正規雇用を増やすのは、なんやかんやいってコスト削減が目的。そうそう簡単に非正規雇用の賃金を上げるわけがない。

 ただね、福利厚生面では「正社員と同じにしましょう」という流れは出てきているの。

ニケ じゃ、そこを攻めましょう!

カワイ その通りです。企業は人手不足に悩んでいるので、福利厚生面の差をなくす動きは、今後広がっていく期待が持てます。という前提を理解した上で、社長に抗議する方法を考えましょう。

ニケ ラジャー! ところで福利厚生って?(冷汗)

カワイ 二つあって、まず一つ目は、健康保険や厚生年金といった、給料から天引きされている「法定福利費」。32歳一般事務さんの会社に501人以上の従業員がいるなら、義務付けられているので自動的に入っているはずです。

ニケ 500人以下だったら?

カワイ ここは会社に確認すれば分かります。

ニケ で、もう一つの福利厚生は?

カワイ 会社によって違うけど、社員食堂とか、有給休暇とか、健康診断・人間ドック補助とかかなぁ~。

ニケ そっか。社員食堂も福利厚生なんですね! だったら、やっぱり抗議すべしです! うちの会社って2年前まで、パートさんは社員割引がなかったんですぅ。正社員は450円で定食が食べられるのに、パートさんは550円。それでパートさんたちが社長に直談判して、450円になったんですよ~。だいたい社外の人使わないから「社員食堂」なのに、パートさんだけ高いっておかしいですよね~。

カワイ そうなのよ。パートとか非正規は「社員じゃないのか!?」ってことですよね。なので、まずは32歳一般事務さんは、他の非正規雇用社員と結束することが肝心です。

ニケ 点じゃなく、面で攻めろ! ってヤツですね。

カワイ そうです。一人で抗議すると、「わがままなヤツ」とか「クレーマー」とか言われちゃう可能性があります。それだけは避けたい。

ニケ 余計、もんもんとしちゃう~。

カワイ ただ、同じ非正規の人でも、はなっから諦めちゃってる人もいるので、ちょっと大変かもしれないけど、32歳一般事務さんが「使いたい、でも非正規だから使えない」という福利厚生をリストアップする。

ニケ 社食、健康診断、有給休暇、交通費とかもあるかも、えっとえっと、あとは……。

カワイ それで、声を掛けやすい非正規の社員さんにそのリストを見せて、同志を募る。

ニケ 戦う非正規女子ですね!

カワイ そうです。おそらく、他の非正規雇用社員さんも同じ気持ちでいるはずです。