ありのままの自分を受け入れる「自己受容」

カワイ 良い面も悪い面も含め、「ありのままの自分」を受け入れる。この感覚は、「自己受容=self-acceptance」と呼ばれています。これはね、心理学者のCarol Ryffが提唱する人間のポジティブな心理的機能の一つで、逆境を乗り越え、それを自身の強さにするために必要な感覚です。

ニケ え~、でも、ありのままの自分が「ダメだ」って思ったから、「今のままじゃダメだ」って思うわけですよね?

カワイ それはね、単なる曖昧な不安です。自己受容の感覚を持つには、まずは「動く」。それで「動いてみたけど、うまくいかない」と壁にぶつかる。そこで初めて、普通であれば目をつぶりたくなるような情けなくて、ふがいない自分を目の当たりにする。

ニケ あ。「大人の女性として未熟であることに引け目を感じ」って、書いてありますけど……。

カワイ それです。32歳企画・マーケティングさんは、デートして「ふがいない自分」にショックを受けたの。

ニケ 「今一歩踏み込むことができませんでした」って書いてありますけど?

カワイ はい、ここからですよ。自己受容は、ナルシズム的な自己愛や過剰な自尊心とは違い、自分の良いところも悪いところもしっかりと見つめ、正面から向き合う感覚です。

 32歳企画・マーケティングさんはね、たった3カ月でいろんな新しいことをやっているわけです。これってスゴイことよ。目標だけ掲げて、な~んにもできない人のほうが多い。

ニケ ……それニケです(泣)

カワイ (笑)なので、まずは自分を褒めてあげてください。「よく頑張ったね」って。それで「未熟であることに引け目を感じる」のではなく、「まだまだ未熟だ~、これからだ!」って自分を大きな器で受け止めてあげてください。

 だいたいね~、32歳ごときで「オトナの女性」になれるわけないじゃない~。っていうか、32歳くらいでなられちゃ、こっちがたまらないっつーの。

ニケ (ニヤリ)薫さんのホンネ~。

カワイ (苦笑)とにかくね、50になったときに「すてきな女性」になっていればいいの。「若さ」という武器だけで勝負できない30代は、次のステージへの転換期です。「28歳くらいの頃に同じような気付きがあれば」って書いてあるけど、そんなこと考えても意味ないです。

へなちょこでいい、受け入れることが大切 (C) PIXTA
へなちょこでいい、受け入れることが大切 (C) PIXTA

ニケ っていうか、28歳のときだったらありのままのへなちょこな自分とか、受け入れられないし~。

カワイ その通りです。いいこと言うわね。

ニケ テヘッ。

カワイ 考え込んだり、落ち込んだりする暇があるなら、仕事しなさい。クライアントにもっともっと会いなさい。家の掃除をしなさい。エステでも行ってきなさい。

ニケ そうだ、そうだ!

カワイ 止まらず動く。そうすれば、気が付いたときには、「私、まあまあいい感じかも~」って女性になってますから。

ニケ ニケは……明日から本を読んだり、ストレッチを始めたりします!

カワイ ムリ。明日は永遠に来ません。今日からすぐにやってください!

ニケ へ? ええ~。う~、やりますう~。という訳で皆さんまた、来週~。

文/河合薫 写真/PIXTA

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