ペットを飼うことの最大の効用とは?
カワイ 子どもたちの多くがね、「ペットがいることで、家族や友人と動物という共通の話題でコミュニケーションが取れる」と回答したのです。
ニケ あ! さっき薫さんが、ペットはコミュニケーションの手助けをしてくれる、って言ってたやつですね。
カワイ その通りです。不登校になった子どもは、心を誰にも開かなくなってしまう傾向があります。親御さんたちも子どもとコミュニケーションを取りたいんだけど、部屋に籠もってしまって顔を合わせられなかったり、話し掛けても無視されてしまったり、あるいは突然怒り出してしまったりで、悩んでる人がたくさんいます。
でも、ペットがいれば、それが共通の話題になって、コミュニケーションが取れるんです。子どもたちにとっても、ご家族にとっても、うれしいことですよね。
それだけではありません。飼っている猫にだけ心を開いていた子どもに、スクール・カウンセラーの先生が「その気持ち分かりますよ、私もね……」と自らの経験も交えながら共感を伝えたら、子どもとの心の距離感が縮まって、少しずつ子どもが学校であったことや心に抱えている問題を話してくれるようになった。そして、学校に行けるようになったの。
ニケ へ~! それ、メチャメチャいい話ですね! そっか。誰かとペットへの思いを共有できればいいですね。ってことは、ワンちゃんやネコちゃんを飼っても、心は「おひとりさま」にはならないってことですよね?
カワイ そのためにはワンちゃんと散歩に行ったら、同じように散歩している人に話し掛けてみる。ネコちゃんを飼ったら、同じようにネコちゃんを飼ってる人を見つけて時間を共に過ごしてみる。普通だったら、接点を持つのが難しい人同士でも、ペットという接点でつながるかもしれない。人間関係が豊かになりますよね。
ニケ ネコを飼うことを恐れることなかれ~、ですね!
カワイ その通りです。ただ、ペットだけを安全地帯にしておくのはとても危険です。ペットロスもあるし、何よりも、ペットをきちんと面倒を見て、責任を持って飼い続けないとダメ。都合のいいオモチャではないですから。私たちと同じように、ワンちゃんもネコちゃんも必死で生きているんだから。そのことを決して忘れないでほしいです。
ニケ ちゃんと稼がないと育てられないから……、仕事にも張り合いが出ますね!
カワイ それと……。人間関係は面倒臭いものです。でも、その面倒臭さの先に、ちょっとした幸せが待っているの。だから、人間関係のいざこざから逃れたくて、ペットに夢中になる人もいますが、ペットの力を借りて、面倒臭い人間関係も大切にしてほしいです。
文/河合薫 写真/PIXTA
記事一覧ページはこちら ⇒ 【河合薫の「女性のリアル人生相談」】
【河合薫さんのFacebookページ】でも発信されています。
フォローすれば、記事公開のタイミングも分かりますよ!
※カイシャやオシゴトにまつわる悩みをお持ちの方は、ぜひ、【日経BP社お問い合わせフォーム】よりお寄せください。その際には、必ず「河合さん連載」と明記してください。こちらの連載を通じて河合さんに回答していただけるかもしれません。個別のお返事はしておりませんので、ご了承ください。