キャリアは一色だけではない、美しい七色

ニケ 七色? ですか?

カワイ はい。「キャリア=職業」とみんな考えるけど、キャリアとは人生のある年齢や場面のさまざまな役割の組み合わせです。家庭や社会におけるさまざまな役割の経験を積んでいくことが「キャリア」です。

ニケ さまざまな役割?

カワイ そうです。人は生まれると「赤ちゃん」という役割を得ます。同時に娘、息子という役割も得る。その後、学生、働く人、母親、父親、おばあちゃん、おじいちゃんといった具合に、さまざまな役割を担っていく。これらのすべてが「キャリア」です。まるで七色の虹のように人それぞれのキャリアがあって、大切なのはその七色を自分なりに輝かせていくことなの。

ニケ 七色ってことは、例えば、母親はピンク、労働者はブルーって感じですか?

カワイ そうです。子どもができるとキャリア(仕事)への意識が変わるというのは、多くの女性が経験しています。私の友人も「ホント自分でも信じられないくらい人生観が変わった」と言っていました。

 でもね、キャリアを七色で考えると、育休の間は「労働者のブルー」の色は薄れてしまうかもしれない。でも、「母親のピンク」がピカピカになるようにすれば、たとえブルーが薄くなっても、ピンクが反射して、ブルーはそれまでと異なる光を放ちます。

ピンクにブルーが反射して、異なる光を放つようになる (C) PIXTA
ピンクにブルーが反射して、異なる光を放つようになる (C) PIXTA

ニケ そっか! ってことは、もし、仕事に復帰して「やっぱり仕事頑張りたい!」って思ったら、夫や実家にサポートしてもらって仕事を頑張る。

カワイ そうです。育児経験はマネジメントに役立ちます。ある会社のトップは育休から復帰すると課長に昇進させていました。「育児ほど、時間と他人をうまく動かさなきゃならない仕事はない。課長に求められるスキルを、育児で身に付けてるんだから生かすべきだ」って。

ニケ 確かに! ママさん課長のほうが、部下はうれしいかも~。

カワイ 10人いれば10通りの七色があります。七色の虹のごとく、いろいろな色で自分の人生を彩ればいい。会社の仕事だけにこだわる必要なありません。

ニケ なんか……素敵! うわぁ~! 薫さん、ステキです!

カワイ キャリア(=労働者)の意識が下がったと否定的に考えるのではなく、母親の経験が仕事にも生きるって考えてほしいです。今の会社にとどまって転勤に応じるか? 転職するか? という二者択一で考えると出口が見えなくなってしまうけど、キャリアは七色なんだから、時間の経過とともに他の選択肢も出てくる可能性もありますから。

ニケ よしっ! ニケは……グリーンを濃くします!

カワイ 何それ?

ニケ ウフ。内緒で~す。七色ですから~、「ニケ元気で留守がイイ~♪」ですよ!

カワイ 何だかよく分からないけど……。とにかく34歳ITさん、子どもを持つという素敵な瞬間が待ち受けているのだから、大変だけど楽しんでくださいね!

ニケ ラジャー! ニケも頑張ります! また、来週~!

文/河合薫 写真/PIXTA

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