気が付けば、もう夏も折り返し地点。ビアガーデンやバーベキューなど、夏ならではのイベントを満喫している人も多いでしょう。充実した日々を送っているときほど、一人になったときに寂しさを感じることや、理由もなくモヤモヤしてしまうことはありませんか? そんなときにおすすめのエッセー3冊を紹介します。お気に入りのカフェや自宅のソファで、一人時間を楽しみながら読書してみませんか。

酒井順子 「男尊女子」

「嫁」「主人」「女子」…納得していますか

酒井 順子 「男尊女子」

 「女性らしい美しさ」を求めるCMにチクリと胸を痛めながら、男性に髪型やメイクを褒められるとつい顔がほころんでしまう。そんな経験は誰にでもあるのでは? 「負け犬の遠吠え」や「子の無い人生」など、女性を取り巻く社会問題についてのエッセーをつづってきた酒井順子さんも、「『私は女なのだから、大切に扱われたりラクしたりして当然』という思いが、どこかに残っている」、「それは『女自身が女を下に見る』ことなのだけれど」と、自分自身の中にある男尊女卑の感情を認めます。

 「男尊女子」は、酒井さんの視点で、表には見えづらくなった女性差別や男尊女卑の問題をまとめたエッセーです。テーマは一見堅いですが、酒井さん独特のユーモラスかつシニカルな表現は本書でも健在です。

 「エレベーターを先に降りるか後に降りるかなど、ほんの二秒か三秒しか違わないことですが、その二秒をケチって我先に降りるおじさんと、二秒をエレベーターガール役の女性に捧げるおじさんとでは、同じおじさんでも人としての器も民度も異なって見えるものです」と、思わず「分かる!」と言いたくなるような身近な話に例えてレディーファースト問題を考える一方、「夫婦別姓」という章では歌手の松任谷由実さんが結婚をきっかけに姓を変えたことを「まだウーマンリブの熱気が残っていた時代に、あえて苗字を変えて歌い続けるという姿勢が、逆に新しくもあったのだ」と、分析。ユーミンの話から近年の家族問題に関する政策についてつなげる語り口は、酒井さんならでは。

 ほかにも「嫁」、「主人」、「女子」など、日常的に使われるフレーズを、「男尊女子」視点で取り上げて分析しています。男性からの扱いや女性を巡る報道に疑問や不満を感じたら、この本を読んで考えてみてはいかがでしょうか。自分が何に対して「モヤモヤする」のか、もしかしたら見えてくるかもしれません。

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