ドラマの見応えの部分でも大きな要素となる、主人公の「お仕事」。今期もさまざまな職業の登場人物たちが活躍する。前編「7月スタート真夏のドラマ 恋愛や青春の熱さ満載」に引き続き、後編もさっそくチェックしていこう。

この夏は「お仕事」ドラマ目白押し

 「健康で文化的な最低限度の生活」では、生活保護受給者と向き合う新人公務員という、極めて身近なテーマでありながら、新鮮な題材を扱う。「ハゲタカ」は、07年のNHK版と09年の劇場版も高く評価された作品。企業買収という男臭いテーマだが、女性プロデューサーが中心となってテレビ朝日で再度連ドラ化される。定番の刑事ドラマでは、「絶対零度」の新シリーズが登場だ。

「健康で文化的な最低限度の生活」

新人公務員が生活保護受給者を支えるために奔走

7月17日スタート/火曜21時/カンテレ・フジテレビ系
(編集部のおススメ度 ★★★

 原作は、「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中の柏木ハルコのコミック。安定を求めて公務員になった義経えみる(吉岡里帆)だが、配属されたのは生活保護受給者を支援する、激務必至の「生活課」だった。

 先輩ケースワーカーの半田(井浦新)から担当を任されるが、その数は110世帯。福祉の知識も人生経験も足りないえみるは、受給者たちのさまざまな人生模様と、生活保護の壮絶な現場に触れ、不安と戸惑いの中でケースワーカーとしてのキャリアをスタートさせる。共演は他に、えみるの上司の京極役に田中圭、担当受給者の阿久沢役に遠藤憲一。

「ハゲタカ」

企業買収者・鷲津のダークヒーローぶりに注目

7月19日スタート/木曜21時/テレビ朝日系
(編集部のおススメ度 ★★★

 累計240万部を突破している真山仁のベストセラー小説が原作。07年にはNHKでも連ドラ化された。バブル崩壊後の97年、「失われた10年」の渦中にあった日本に現れた、外資系投資ファンド代表の鷲津政彦(綾野剛)の生きざまを描く。

 「ハゲタカ」と激しいバッシングを受けながらも、不良債権を抱えた大企業や、経営不振の名門企業へ次々と買収劇を仕掛け、圧倒的なカリスマ性で突き進んでいく。原作者の真山氏が書き下ろした原案をもとに、18年の現在の鷲津の姿もオリジナルで描かれる。共演は渡部篤郎、沢尻エリカ、小林薫他。

「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」

秘密裏に動くチーム「ミハン」の活躍を描く

7月9日スタート/月曜21時/フジテレビ系
(編集部のおススメ度 ★★

 10年、11年に上戸彩主演で好評を得た「絶対零度」シリーズが、元公安のエリート刑事・井沢範人(沢村一樹)を主人公に、新たな物語として始動する。

 井沢は、ある事件をきっかけに、公安から総務部・資料課に転属。警察内でのトラブルメーカーが集められた「警視庁の吹きだまり」と見られている資料課だが、日本国民のあらゆる個人情報が集約されたビッグデータを解析し、主に殺人を犯す可能性の高い危険人物を割り出す「未然犯罪捜査システム=ミハンシステム」の実用化プロジェクトの任務を託されていた。秘密裏に進められているチーム「ミハン」の活躍を描く。

「ラストチャンス 再生請負人」

転職した元銀行マンの奮闘

7月16日スタート/月曜22時/テレビ東京系
(編集部のおススメ度 

(C)テレビ東京
(C)テレビ東京

 第一線で活躍していた銀行マン・樫村(仲村トオル)は順調な人生を送ってきたが、勤務先の銀行が吸収合併されて運命が一転。飲食フランチャイズ企業「デリシャス・フード」のCFO(最高財務責任者)へ転身するが、経営状態は芳しくなく、就任早々ピンチに見舞われることに。挫折や仲間の裏切り、妬みなど、人生のつらさに直面するが、異業界で会社再建に奮闘し、「働くとは何か」「企業にとって大切なこととは何か」に気付いていく。

 原作は江上剛の小説。脚本はNHK大河「軍師官兵衛」(14年)の前川洋一が手掛ける。