――「キセキ -あの日のソビト-」では、ヒデは忽那汐里さん演じるガールフレンドの理香に支えられていたり、ジンもヒデもお母さんやお姉さんにサポートされていたりしますが、松坂さんは「やっぱり女性ってすごい!」と感じることはありますか?

 「もちろんあります! 特に今の時代、家事と仕事とを両立させて、それを続けている女性が増えていますよね。女性って本当に強いなぁって思います。女性が社長になったり、物作りの発信になる人も増えてきているじゃないですか。すごく素晴らしいことですし、共に頑張っていきたいという気持ちになります」

――将来、結婚されたら、奥さんが働くことに賛成ですか?

 「賛成です。お互い補い合っていけばいいんです」

――「これは女性にはかなわないな」と思うことは?

 「基本的にかなわないです~。ケンカでもかなわないし、何でも男が負けますよ」

――負けてあげるんじゃなく?

 「いやいや、女性は強いし、たくましいから」

――では、松坂さんにとって“最強の女性像”とは?

 「真剣さと無邪気さを兼ね備えている人。子どもの心を忘れず、集中するべき時は真剣にやる。それが魅力につながりますし、最強だと思います」

――ありがとうございます! では最後に、働く女性たちが「キセキ -あの日のソビト-」を映画館に見に行きたくなるような、お薦めコメントをお願いします。

 「そうですね、たまにはお酒を飲みながら映画館に行くのもいいんじゃないですか。そんな女性って、乙ですよね」

――あの……、「キセキ」について何か具体的には?

 「あっ、そうか! 内容も楽しめますが、音としても楽しめる映画なので、まずは見てください。菅田将暉をはじめとするグリーンボーイズが、本当に真剣にクオリティの高い歌声を聴かせてくれています。お酒を飲みながら、映画館で聴くのがいいと思います」

***

 松坂さんがまだデビューして間もない頃、初めて彼にインタビューした際、とても礼儀正しくて感じが良く、なんて素晴らしい好青年なんだろうと心を奪われたのですが、7年経っても人柄の良さは全く変わっていませんでした。もちろん役者さんとしてはグッと成長されていますが、純粋さは100パーセント残っていて、周囲を明るくさせる好青年ぶりは健在。これからのさらなる活躍に期待しつつ、松坂さんのピュアな魅力はずっと変わらないんだろうなと実感したインタビューでした。

「キセキ -あの日のソビト-」
2017年1月28日(土)全国公開
(C) 2017「キセキ -あの日のソビト-」製作委員会
配給:東映
公式サイト:http://kiseki-movie.com/

【STORY】
幼い頃から医師の父・誠一(小林薫)に厳しく育てられてきたジン(松坂桃李)とヒデ(菅田将暉)の兄弟。メタルバンド「ハイスピード」のボーカルを続けたいジンは、誠一の反対を押し切り、家を飛び出す。一方、ヒデは父の思いを受け、歯医者を目指していたが、音楽の魅力に引かれ、学友のナビ(横浜流星)、クニ(成田凌)、ソウ(杉野遥亮)と共にボーカルグループ「グリーンボーイズ」を結成。そんな中、ジンは自分の音楽活動に挫折を感じるが、弟たちの才能を知り、プロデューサーとしてサポートすることに。歯医者と音楽を両立させたいけれど、恐ろしい父親には絶対に隠さなければならない。そこでジンは、前代未聞の顔出し無しのCDデビューを思いつくが……。サブタイトルの「ソビト」とは、「素人/空人=自由に新しいことに挑戦していく人」を意味する「GReeeeN」による造語。

曲が良ければ顔を出さなくても売れるとレコード会社に売り込むジン
曲が良ければ顔を出さなくても売れるとレコード会社に売り込むジン
※「GReeeeN」のメンバー表記はJIN、HIDEなどローマ字。映画のキャラクター表記はジン、ヒデなどカタカナ。

文/清水久美子 撮影/小野さやか