【質問4】お仕事の愛用品は?

【回答】車とFacebookです

 PRを担当している書籍を車のトランクにたくさん積んで移動しています。まるで行商のようです。車のいいところは、フットワークがものすごく軽くなること。打ち合わせの後に車内でメールを読んですぐ電話をすることもあれば、移動会議室になることもあります。1年間で1万キロは走っていますね。

愛車のトランクには担当書籍が積まれています
愛車のトランクには担当書籍が積まれています

 また、Facebookのメッセンジャー機能は、私の仕事連絡の主軸になっています。案件ごとにグループを作ってやり取りしているのです。投稿も頻繁にしています。ツールなので使い方は自由ですが、その人に興味があるからつながっているのに、宣伝だけでは面白くないと思うからです。ただし、私のルールとしてお目にかかったことがある方だけの限定公開にしています。

 誰でも見られる公開投稿では、担当している本の情報が流れるようにしています。最近はステマ問題などがあるので、自分が担当している本は「#担当書籍」と書くことを決めています。見た方に「きちんと線引きをしているな」と安心していただくためです。

【質問5】自分をご機嫌に保つ方法は?

【回答】モヤモヤしたら皿洗いをします

 日常生活の中でモヤモヤしちゃうときってありますよね。私はSNSで悪口や愚痴を書かないようにしているのですが、それを見た人から「奥村さんは悩みがなさそうでいいね」と言われることがあります。そう言われると、「悩みのない人間なんていない」と思ってモヤッとするんです。そんなときには、洗い物をします。「私だって嫌なことがあるんだ!」と、独り言を言いながら皿洗いをしていると、排水口が吸い取ってくれるのか、不思議とすっきりするんですよ。

 私はグラスに残った水滴の跡が好きではないので、熱めのお湯で洗って、すぐに拭いているんです。そうすると跡が残らなくて、グラスがつるっとします。それを見ていると私の心も晴れやかになりますね。

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 「総合職を気負っていた」新人時代、専業主婦を経てのレストラン広報への転職、そして書籍PRとしての独立を中心にお話しいただいた今回。後編ではプライベートの経験や人との出会い、おすすめの本についても伺います。

聞き手・文/飯田 樹 写真/品田裕美

奥村知花(おくむら・ちか)

本しゃべりすと/書籍PR。1973年東京生まれ。成城大学文芸学部卒。総合アパレル商社、レストラン業界を経て、2003年より書籍専門のフリーランス広報として独立。以後、新刊書籍のパブリシティー活動の他、「本しゃべりすと」という独自の肩書のもと、雑誌の特集記事や書評エッセーの連載執筆、ラジオ番組などでの書籍紹介を担当している。近著に「進む、書籍PR!」(PHP研究所)。