リーダーになる前に覚えておきたい3つのポイント

 この調査から分かったポイントは、以下の3つです。

1.次世代に期待し育成に励んでいる中堅層が多い

 リーダーシップ発揮度は、環境や年代によって大きく異なっています。中でも「今以上にリーダーシップを発揮できるようになりたい」と思う人の割合は、男女共に年齢が上がるにつれて低くなっていることが分かりました。

 その背景にあるのは、部下への期待と思いやり。自分がリーダーとなって社員を統率するのではなく、「次世代を担う若手にリーダーシップを発揮させる場をつくりたい」という考えを持つ人もいるようです。

2.人間味のあるリーダーが人気

 チームで一つの案件に取り組み、何事も周りと協力しながら仕事を進める日本の職場。自己主張が強い人についていきたいと思う人は約2割程度と少数派でした。

 リーダーに求められているのは、ぶれない芯と他者への配慮、そして人間味です。特に仲間への思いやりを重視している人が多く、「完璧な人よりも、弱みと強みを持ち合わせている人についていきたい」という声が多く上がっていました。

3.20代女性は強いリーダーに憧れる

 20代女性は全体傾向とは異なり、バイタリティーにあふれ、魅力的な目標や意向を積極的に語る人についていきたいと思う傾向が見られました。いわゆる「欧米的」と前述したリーダー像です。

 また「今以上にリーダーシップを発揮できるようになりたい」と思う人の割合も高め。働き盛りで、これから管理職を目指す人も多い20代女性の目には、目標に向けてエネルギッシュに動くリーダーが魅力的に映っているようです。

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 求められるリーダー像は、性別や年代によって異なり、組織の状況や環境によっても変化します。ぶれない芯を持ち自分の軸を磨く、他者への配慮を忘れないなど、まずは人間力を高めることから始めていきたいですね。

文/華井由利奈 写真/PIXTA