22歳~34歳の働く女性の4人に3人は「個人名で働きたい」――。ミレニアル世代の女性向けに幅広いジャンルの講座やサービスを提供するSHE(シー)主催の「ミレニアルサミット」では、興味深い調査結果が発表された。一方、「個人名で働きたい」と考える女性のうち、半数以上がそれを実現できていないという実態も明らかに。会社に所属しながら自分ブランドを築くには? いつか会社を辞めて独立したい人は何をすべき? サミットでは、識者や等身大のミレニアル女性も登壇。彼女達から、そのヒントを聞いた。

「個人名で働きたい」 その背景には何が?

 副業解禁、パラレルワーカー、「好き」を仕事に――。個人が自分の得意なスキルを生かして働くことが当たり前になってきた。ランサーズの「フリーランス実態調査2018年版」によると、フリーランスの経済規模は推計20兆円を超え、副業フリーランスの人口は744万人に到達。日本の労働人口に対し、17%を占める割合となった。こうした世の中の流れもあり、「個人名で働きたい」と考える20代~30代の女性が今、増えている。

22~34歳の働く女性の7割以上が「個人名で働きたい」と回答 出典/SHE
22~34歳の働く女性の7割以上が「個人名で働きたい」と回答 出典/SHE

 「ミレニアル世代の女性の76.1%、約4人に3人は、会社に所属していても『個人名で働きたい』と考えている」

 SHE主催の「ミレニアルサミット」では、このような調査結果が発表された。76.1%という数字は、40代~50代の女性の回答の1.5倍以上。サミットに登壇した資生堂CSO(最高サステナビリティ責任者)の留目真伸さんは、「SNSなどの発達により、自分の好きなことや得意なことを発信できるようになったこと。そして、それらを発信している人のライフスタイルも見えるようになったこと」も大きく影響していると分析する。

「個人名で働くということは、『自分は何をやって生きていくのか』『社会と自分のスキルで価値交換できることは何か』を考えることが重要になってきます」(留目さん)

 ミレニアル世代が「仕事を通じて得たいこと」も特徴的。トップは、「熱狂できるやりがい」(39.3%)、続いて「所得・給料」(16.3%)という結果になった。

20代~30代の働く女性は「熱狂できるやりがい」を重視する 出典/SHE
20代~30代の働く女性は「熱狂できるやりがい」を重視する 出典/SHE

 一方、40代~50代の女性が「仕事を通じて得たいこと」のトップは「安定的な生活」(41.7%)。ミレニアル世代の女性は1割程度だったことを踏まえると約4倍の差がある。こうした結果から、20代~30代女性はキャリアを考えていく上で「やりがい」を重視することが分かった。