一人一人がさらなる意識改革を!

 サポート制度が整っていても、利用するためには職場の理解も必要です。そのため、罹患したときに「勤務先でサポート制度を使えない雰囲気があったかどうか」も気になるところ。

罹患時の勤務先で、仮に制度があっても使えない雰囲気はあった?(単一回答)
罹患時の勤務先で、仮に制度があっても使えない雰囲気はあった?(単一回答)
職場の理解が深まれば、それだけで負担が少なくなります

 「あった」「どちらかと言えばあった」と答えた人は、合計で34%。「全くなかった」「どちらかと言えばなかった」と答えた人は、合計で66%でした。サポート制度を利用しやすい環境であれば、罹患時のストレスも少しは軽減されるはず。がん経験者からも、職場環境の改善や意識改革を望む声は多くあがっています。

休みや時短制度などの案内をもっと開示して、取りやすい雰囲気をつくっていく工夫が必要だと思います。(罹患時20代)

がんは身近な病気だということを意識してもらい、誰がいつ罹患しても困らない仕事のやり方や、配置換えなどがあればうれしいですね。(罹患時30代)

有給休暇を取りやすい環境になってほしいです。通院に対しての理解を深めてもらえるだけで、だいぶ助かります。(罹患時30代)

見た目は何ともなくても、重い物を持てないということを同僚に認識してもらうために、「サバイバーバッチ」などを着用するルールがあれば良いなと思います。(罹患時40代)

「戻ってこい!」という上司の言葉が力強くて、励みになりました。人ごととは思わず、がんに対する意識を職場全体で持ってもらえることが大切だと思います。(罹患時30代)

***

 乳がんは、女性なら誰もが患う可能性のある病気です。生活面や経済面での不安を軽減するために、病気に対する知識を得たり、「もしも」のときの備えを検討したりすることは大切です。また職場のサポート制度を遠慮なく利用し、治療に専念できる環境がつくれるよう、一人一人のさらなる意識改革も目指したいですね。

文/青野梢 グラフ出典/ライフネット生命保険 写真/PIXTA