被害は1件だけではなかった

 次に不正使用があったことを報告するため、某大手ショッピングサイト(以下、Aとする)に連絡した。すると、不正使用されていたのは、この1件だけではなく、もう1件あるという。届け先は、先ほどと同じ住所だった。どうやら、同一人物の仕業のようだ。

 2件目のショップへもメールで連絡してみたが、すでに配送は完了し、クレジットカード引き落とし請求処理も済んでいるため返金はできないと、なんともつれない言葉が返ってきた。引き落とされたのは2万7000円、あきらめがつかない金額だ。

「注文確認メール」が届かなかったワケ

 ここでふと疑問が浮かぶ。商品を購入した際に送られてくる「注文確認メール」が届いていないのだ。

 再びショッピングサイトAへ問い合わせ理由を聞いてみると、宛先から私のアドレスが外され、第三者のアドレスになっているという。それでは、気付かないはずだ。

 さらにショッピングサイトAからも返金してもらえないと分かり、クレジットカード会社へ連絡してみた。すると、「支払明細に(先ほどの身に覚えのない利用分が)計上された段階で、本当に不正使用であるか調査を開始する」とのこと。ここは、気長に待つことにしよう。

 クレジットカードの不正使用被害は2013年以降増加傾向にある。一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、2016年のクレジットカード不正使用被害は、総額140.9億円。内訳は、「偽造カード被害額」が30.5億円、「その他不正使用(例えば、紛失したり盗難にあったカードを悪用される、など)額」が22.5億円だった。中でも私が直面した「番号盗用被害」の額は急増していて、2014年は66.7億円だったが、2016年には87.9億円にまで膨れ上がっている。それほどまで深刻な問題になってきているのだ。

 今回私は、突然降ってきたハプニングにどうしてよいか分からず、すっかりうろたえてしまった。しかし、正しい知識を知っていると知らないとでは、対処の仕方が大きく違うはずだ。次のページでは、「どうしたらインターネットの不正アクセスを防げるか」「ネットショッピングでクレジットカードを使った不正使用の被害に遭ってしまったらどうしたらいいか」をご紹介しよう。