直接会ったことのある相手でも注意は必要

 上司や取引先、友達など、日ごろ信頼している人が不審な行動をしていたという経験談も。一方、被害に遭っていると思ったら実は勘違いだったという話もありました。危険予知のために覚えておきたい事例をまとめて紹介します。

賃貸仲介業者の店舗で、最初にアンケートとして希望の物件とともに住所や電話番号などの個人情報を記載したところ、その情報を店員に個人的に利用されてしまいました。一人暮らしに慣れていない若い頃はきちんと記入していましたが、その後はぼかして記入するようにしています。(38歳、情報通信、技術職)

会社の人から食事に誘われ、「あまり面識がないのに不思議だな」と思いながらも波風立てないよう二人で出掛けました。すると私一人の写真を撮られ、最後に抱きつかれました。(33歳、製造、秘書)

私の履歴書を持っている上司がGoogleマップに家の住所を入力して検索したらしく、画像付きで「この家に住んでるんだ」と送られてきたことがありました。(26歳、飲食、総務・人事)

商業施設のトイレで盗撮されたことがあります。和式で、ドアの下の隙間から撮られました。それから和式を使うのが怖くて、なるべく洋式にしています。和式しかないときは、ドアを気にするようにしています。(31歳、サービス、接客)

帰宅し、いたずら心で何気なく自宅ののぞき穴を外からのぞいてみたら、家の中が丸見えでした。管理会社に尋ねたところ、マンションが建設された頃はこの部品が流通していて、全世帯が同じ状態だと言われました。付け替えはできないとのことだったので、とりあえず家の中から目隠ししてしのいでいます。(31歳、医療福祉関連、専門職)

好きでもない取引先の担当者(即婚者)に気に入られてしまい、メールや電話を10分おきにかけられました。さらに「今から家に行きます」「出なかったら取引をやめます」というメールを送り付けられ、とても怖かったです。すぐに引っ越しました。(33歳、不動産、経理)

マンションのエレベーターに乗ろうとしたら非常階段に人影が。5階でエレベーターを降りても階段に同じ人影がありました。一目散に自分の部屋まで行き、扉を閉める直前で相手の動向を確認したら、こちらをうかがっている様子。管理人に相談すると後日連絡があり、その人影は上の階に住む住人で、極度の女性恐怖症とのこと。私が部屋に入るのを見届けてからでないと、安心して自分の部屋に行けなかったようです。不可解な行動をされると、私も恐怖を感じてしまいます……。(34歳、公務員、人事)

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 読者の皆さんからのコメントを全体的に振り返ってみると、特に元彼によるストーカー被害が多く見られました。連絡先や自宅の住所、行動パターンなどを知られているため、直接的な被害につながりやすいようです。今まで被害に遭わなかった人も油断せず、事件が起きる前にぜひ防犯対策を実施してくださいね。

文/華井由利奈 写真/PIXTA