資産形成のための準備 みんなの平均額は?

 将来のために貯金をしておきたいところですが、どれほどためておけばいいのか分からないのが正直なところ。そこで、資産形成(預貯金や投資など)のための資金を月々どの程度用意できているか聞いてみました。

月々の資産形成のための準備資金(数値回答)
月々の資産形成のための準備資金(数値回答)
資産形成のための資金は5万円未満が多数派

 用意できていないとする「0円」が22.4%、「1万円未満」が6.3%、「1万円~5万円未満」が34.6%となり、「5万円未満」までの累計で63.3%となりました。将来に備えるための「準備資金」の拠出額は月々5万円に満たないという人が多数派のようです。一方、「5万円~10万円未満」19.3%、「10万円~15万円未満」9.3%といった回答も少なくはなく、全体の平均額は8.5万円となりました。

月々の資産形成のための準備資金 平均額
月々の資産形成のための準備資金 平均額
30代が余剰資金が最も少ない結果に

 この結果を年代別に見てみると、20代8.1万円、30代7.0万円、40代8.1万円、50代11.0万円となりました。30代でいったん、将来の準備資金として拠出できる額が低くなる傾向にあるようです。

働く男女3人に1人「へそくりがある」

 一方で資産運用を行わずに、銀行などの金融機関にお金を預けず自宅にお金を保管する「タンス預金」が増えているといわれています。長引く低金利やマイナンバーなどの影響下、どのくらいの人がタンス預金をしているのでしょうか。

タンス預金の金額は?(数値回答)
タンス預金の金額は?(数値回答)
4割以上がタンス預金をしている!

 タンス預金を行っているかどうかを聞き、行っている場合の金額も併せて聞いてみたところ、タンス預金を行っている割合は42.2%となりました。ビジネスパーソンの4割強が、銀行などの金融機関に預けずにためているお金があるようです。またタンス預金の額を見ると、100万円以上ためている人が全回答者の1割半(15.0%)もいることが分かりました。コツコツとタンス預金をした結果、100万円の大台に乗った人も少なくないようです。

 また、配偶者に内緒でお金をためる「へそくり」についても聞いてみました。

パートナーに内緒の「へそくり」はいくら?
パートナーに内緒の「へそくり」はいくら?
100万円以上のへそくりが多いようです

 へそくりの有無と、ある場合の金額も併せて聞いたところ、へそくりがある人は33.2%となりました。3人に1人は夫や妻に内緒でためているお金があるとのこと。しかも1割強(12.6%)の人が100万円以上ためているそうです。秘密の預金通帳で残高を確認し、にんまりとほほ笑んでいる人もいるのかもしれません。

 年代別に見ると、へそくりがある割合は30代、40代でいったん低下するものの、50代で上昇する傾向が見られました(20代36.7%、30代31.7%、40代28.4%、50代37.1%)。30代、40代は結婚や子どもの誕生、住宅購入などのライフイベントが重なる世代で、内緒のお金をためづらい時期ともいえそうです。50代では100万円以上ためている割合が16.6%になり、6人に1人が大金を持っている様子。人知れず懐を温めている人がいるようです。

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 ゴールが見えず悩みがちな資産形成。自分に合った答えはなかなか見いだしにくいものですが、悩んだり、迷ったりする気持ちはきっと誰でも同じはず。お財布事情を考慮しながら、まずは自分の年代の平均額を参考に貯金やお小遣いの額を調整してみてはいかがでしょうか。お小遣いの額が少な過ぎて悩んでいる人は、この調査結果を使うと家庭内の稟議(りんぎ)が通りやすくなるかもしれませんよ。

文/華井由利奈 写真/PIXTA