老後費用の準備方法として、ニュースにもなっている「個人型確定拠出年金」(通称、iDeCo)。「そろそろ私も検討してみようかな……」と思い始めた方もいるかもしれません。今回は、非正規雇用の契約社員、派遣社員、自営業のケースについて、どんな人がどんな方法で老後資金を準備したらよいのか、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにアドバイスいただきます。

第1回「個人型確定拠出年金って? 将来損をする可能性は?
第2回「FPに聞いた! タイプ別・iDeCoの始め時
第3回「iDeCoで課税されるケースは? 始める前の注意点
第4回「iDeCoの掛け金はいくらにすべき? <正規雇用編>
第5回「iDeCoの掛け金はいくらにすべき? <非正規雇用編>」(この記事)
第6回「個人型確定拠出年金を2018年から考えるメリットとは」(2月28日公開予定)

30歳・貯蓄300万円 そろそろiDeCoを始めてもいい?

Dさん(契約社員、30歳、独身、一人暮らし)
手取り月収:20万円/うち月2~3万円を貯蓄
貯蓄額:300万円
企業年金・退職金:厚生年金に入っている/退職金なし
30歳になり、そろそろ老後資金の準備をしようと焦り始めた。

上限金額の2万3000円で始めましょう

[風呂内亜矢さんのアドバイス]

 契約社員や派遣社員の方は、基本的に企業年金がありませんので、老後資金の準備がとても重要です。iDeCoの上限金額は2万3000円。この金額を毎月出せるか、総貯蓄額がしっかりあるかということが分かれ道になります。

 Dさんは貯蓄が300万円あり、定期的に貯蓄する習慣もありますね。手取り20万円で300万円の貯蓄があれば、iDeCoを始めてもいいと思います。既に毎月2~3万円貯蓄しているようなので、その金額をiDeCoに充てればすぐにでも上限金額で始めることができます。

【ポイント】

・非正規雇用の人は、老後資金の準備が重要
・貯蓄が300~500万円あり、貯蓄が習慣化していればiDeCoを始めてもいい
・掛け金は上限金額の「2万3000円」がおすすめ

上限金額が払えるかどうかが一つのポイント イラスト/田中小百合
上限金額が払えるかどうかが一つのポイント イラスト/田中小百合