「作業」ではなく「仕事」の時間がキャリアアップにつながる

 せっかくの「仕事」を自ら、ただの「作業」にしてしまっている人も多いですよね。

 得意先への荷物をぐちゃぐちゃに梱包している人を見たこともありますが、自分の名前が出ない作業やSNSに書けない業務を雑に終わらせる人は、他のことでも雑さが出ると思います。「私がやるべき仕事じゃない」という意識は、すべての仕事を「やらされ作業」だと思っている証拠です。

 「仕事」と「作業」の違いは、結果へのコミットがあるかないかだと思います。「これは私の仕事」と思って付加価値を付けて行ったものであれば、作業も仕事になります。そして仕事と思って当たっている時間が長ければ長いほど、やりがいも増えるはず。なので、常に「今自分は仕事ができているだろうか」と自問自答してみてください。

 また、往々にして作業は時間の消費ですが、仕事は生産的で、どこかしらクリエーティブな要素があるもの。だから「仕事」の時間を意識的に増やせば、キャリアアップにもつながるんです。

 一方で、私にとっての「作業」を「仕事」としてプロフェッショナルにこなしてくれる身近な存在に、税理士さんがいます。こちらがぐちゃぐちゃに送ったレシートも、一切合切整理してきっちり仕上げてくれるんです。

 皆さんの周りにも、パワーポイント資料を素晴らしく肉付けして、同じものとは思えないほどユニークなプレゼンを完成させる先輩や、めちゃくちゃ笑える日報を書いてくれる後輩はいませんか。このように、作業で人を感動させられる人は、もうすでにプロの仕事人だと思います。

私はいつも、プロの仕事人に支えられています(はあちゅう)
私はいつも、プロの仕事人に支えられています(はあちゅう)

楽にお金を稼いでも仕事になる

 私は昔、社会人になったら休みも自由もなくて、つらいことをしなければお金は稼げないものだと思っていました。

 でも最近ではオンラインサロンやフリマアプリなどを通じて、趣味の延長線上でお金が稼げる場所も増えていますよね。仕事というと毎日通勤してデスクに座ってというイメージですが、仕事の感覚はないのに楽して稼げる、そんな機会がたくさん存在している今、仕事という概念・感覚も変えていく必要があるのかもしれません。

 私自身もまだまだ、仕事=我慢という昭和的な考え方から完全には抜け出せていないので、自分の意識の改革を進めていこうと思います。

聞き手・文/小泉なつみ 写真/稲垣純也 取材日:2017年5月8日