「独身=幸せなはずがない」という思い込み
独身男性が独身女性に対して持つ「自分は男だから楽しんでいるけど、君のように、女性は結婚できなくてかわいそうだね」という価値観は理解に苦しみます。自分がシングルでいることに幸せを感じているならば、女性が独身でいることもなぜ受容してあげられないのでしょう。
さらに独身貴族の「俺様男子」のみならず、既婚男性にも質の悪いアドバイスをくれる人はいます。この場合にありがちなのが、「家族はいいよ~」攻撃。
「結婚は素晴らしいものだから周りにもおすすめしたい」という気持ちは理解できますが、「家庭を持っていない=幸せなはずがない」という勝手な思い込みは、迷惑でしかない。悲しいことですが、思った以上に独身女性に対する偏見は皆のなかにあるものなのかもしれません。
女性の心を無自覚に傷つけているのに、「いいことを言ってあげた」と思い込んでいる、無神経な人が多すぎます。普通、自分が未経験のことは人に勧めようがないはずですし、人の幸せを勝手に決めつけるのもおかしなこと。
そんな当たり前のことが分かり合える社会になってほしいと思います。
きっとこのインタビューも、公開されたら「結婚できない女のひがみ」などというコメントがつくと思うのですが、そんなコメントを見かけたら、「公平な社会でありたい」「価値観の押しつけはやめてほしい」という私の訴えが、なぜ「ひがみ」と歪められてしまうのか、ぜひ考えていただきたいと思います。
文/小泉なつみ 画像/鈴木愛子、PIXTA