早くも真夏を思わせる暑さが続き、薄着の季節が近づいてきました。そうすると気になるのが、ダイエット。ただ、食事を抜く「ファスティング」や、一つの食材ばかり食べ続ける「ばっかり食べ」は健康を損ねる恐れがあります。最終回は正しく、美しく、健康に痩せられるダイエットについて、細川モモさんに教えてもらいましょう!

食事制限に頼るダイエットは危険! 大切なのは食事・運動・睡眠

 りんごを食事代わりに食べる「りんごダイエット」、朝食をバナナだけにする「バナナダイエット」、数日間を野菜や果物のジュースで過ごす「ジュースクレンズ」など、美容に関心がある人なら、一度は何らかのダイエットを試したことがあるのではないでしょうか。でも、一時的に体重が落ちるだけだったり、食事制限の反動でドカ食いしてしまったり……なかなか理想の体型をキープするのは難しいように思います。

どんな食事制限がいいのかしら…? イラスト/渡辺あやね
どんな食事制限がいいのかしら…? イラスト/渡辺あやね

 細川さん、失敗しないダイエットってあるんでしょうか?

 「食事を極端に制限するダイエットは、健康を害する恐れがあるのでやめましょう。食事制限により、1日1000kcal以下に食事量を抑えると、基礎代謝も一緒に低下し、その後、食事制限をやめても下がった基礎代謝は8年たっても戻らなかったというアメリカの調査報告があります。手っ取り早いダイエットで生涯太りやすい体を作るのでは本末転倒ですよね。食事制限ダイエットは、リバウンドしやすい体づくりになってしまいますよ」と細川さんは警鐘を鳴らしつつ、理想のダイエットを教えてくれました。

 「食事を減らすと、筋肉をつくるたんぱく質など必要な栄養素が不足するため、体調不良に陥りやすくなります。ダイエットに必要なのは、食事・運動・睡眠の3本柱。特に年齢を重ねるほど筋肉量や代謝が落ちるので、食事を減らすだけでは痩せづらくなると覚えておきましょう」(細川さん)

 なるほど、ダイエットに近道なし。食事だけで解決しようとせず、やはり運動も大事なんですね。

 運動はジョギングやマラソンなど激し過ぎるスポーツは活性酸素が発生して体のサビ度が上がり、肌荒れやシミ・シワの原因となる場合が。個人の好みにもよりますが、体を動かすならヨガやストレッチなど穏やかなものがよいそうです。

 「内勤の女性は、20~30代と若くとも、約3割がロコモティブシンドロームという、運動器や移動機能が低下する運動器症候群に該当していました。若いときからの運動習慣はダイエットを兼ねながらも、人生100年時代を考えて、寝たきりやアルツハイマー型認知症予防のために習慣化したいものです。自宅で『ながら運動』でできるスクワットもおすすめです。腰を痛めないよう、正しい姿勢に注意してスクワットをするとロコモ予防にもなりますよ!」(細川さん)

正しいスクワットのやり方は

1.肩幅より少し広めに足を広げて立ちます。つま先は30度くらいに開く。

2.膝がつま先より前に出ないように、また膝が足の人差し指方向に向くように注意しながら、お尻を後ろに引くようにして体をしずめる。

3.深呼吸するペースで5~6回繰り返す。1日に3回行う。
出典/ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトより

つま先を30度くらいに開き、膝がつま先より前に出ないように注意しながらお尻を後ろに引くようにして体をしずめる(こちらのアニメ画像をクリックすると、静止画で確認できます) イラスト/渡辺あやね
つま先を30度くらいに開き、膝がつま先より前に出ないように注意しながらお尻を後ろに引くようにして体をしずめる(こちらのアニメ画像をクリックすると、静止画で確認できます) イラスト/渡辺あやね