一人暮らし・実家暮らし、未婚・既婚を問わず、「生活費を節約したい」と思ったときに、まず思い浮かぶのは「食費」ではないでしょうか。家賃や光熱費よりも手っ取り早く減らすことができ、人目につきにくい部分でもあるため、削減がエスカレートしがちです。今回は、「年収別に見た働く女性の食生活」にスポットを当て、予防医療コンサルタントの細川モモさんにアドバイスしていただきます。

あなたのランチは外食? それとも手作りのお弁当? (C)PIXTA

年収別・食べているもの調査

 食生活は世帯構成や年収に大きな影響を受けることが分かっています。それによって変わってくる食習慣の課題と対策にスポットを当てていきます。

 調査結果を年収が「400万円未満」の人、「600万円以上」の人に分けて集計してみると、お弁当率や多く食べているもの、不足しがちな栄養素などに大きな違いがありました。

<お弁当率>
400万円未満⇒高い
600万円以上⇒低い

<多く食べているもの>
400万円未満⇒パン、ラーメン、うどん、砂糖、和菓子、納豆、そば
600万円以上⇒パスタ、肉、緑黄色野菜、根菜類、海藻、乳製品、きのこ類、果物類、日本酒、100%ジュース

<もっと食べるべき食品>
400万円未満⇒肉、緑黄色野菜、果物類、海藻
600万円以上⇒納豆、味噌汁

<不足させがちな栄養素>
400万円未満⇒β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、葉酸、カルシウム、カリウム
600万円以上⇒ビタミンD、ビタミンE、オメガ3系脂肪酸(DHA-EPA、αリノレン酸)

<食意識の課題>
400万円未満⇒「何を作っていいか分からない」「何が健康にいいのか分からない」
 ⇒ 食や栄養の情報提供が重要
600万円以上⇒「食事を作る時間がない」「自炊は面倒に思う」
 ⇒ 外食環境の整備が重要

※調査対象者:働く女性212人、平均年齢31.3歳
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 「年収400万円未満」と「600万円以上」で特に大きな差が表れたのは、「肉類」、「野菜類(緑黄色野菜・根菜類・きのこ類)」、「果物類」となっており、これは国の調査でも同様の結果でした。今年は野菜が高騰しましたし、肉類はそもそもコストがかかるので、ごく自然な現象でもあります。

 ただ、どんな食材を選んで食べたかは、栄養状態と密接に結び付くため、例えば肉や魚の摂取頻度が極端に少ないと鉄分や亜鉛不足で貧血リスクが高まってしまうという側面があります。これを予防するために、安売りや大量売りの際にお得に購入して、小分けにして冷凍ストックするなどして、対策を講じたいものですね。

 「年収400万円未満」群では、肉類、野菜類を食べている人が少なく、パンや麺類(ラーメン・うどん)に偏りがちになることが分かりました。また、年収が下がるほど、菓子類(洋菓子、和菓子、アイスクリーム)の摂取量も増えるという結果となりました。

 「麺類や菓子類が増えて栄養が偏り、野菜不足が続くと、肥満や糖尿病を招く恐れがあります。ただ、『年収400万円未満』群では納豆の摂取量が際立って高いことから、健康への関心がないということではありません。実際、保健室に参加した人からも、食に対する意識はあっても具体的に何を作るのがいいのか分からないという声が上がっていました。食費を節約する上で、安価で手軽な麺類を選ぶ傾向があるのかもしれません」(細川さん)

 一方、十分な食生活を送っているように見える「年収600万円以上」の人たちにも課題があります。

 「緑黄色野菜や根菜類、肉類、100%ジュースなど健康を意識した食生活ですが、お弁当派が少なく、納豆や味噌汁の摂取が低い傾向です。これは仕事が忙しいあまり、自炊中心の生活ではなく、外食や総菜に頼る『食のアウトソーシング化』が進んでいることがうかがえます。保健室の参加者からは『食事を作る時間がない』『自炊は面倒』といった声が上がっていました。外食や総菜が悪いわけではありませんが、カロリーや塩分、油分の取り過ぎ、食品添加物が心配な場合もあります」(細川さん)