「人生100年時代」といわれる今、何歳になっても人生を楽しめるのはうれしいことですね。ただ、それはやはり「健康な体」があってこそ。いつまでも元気に動けるためには、若いうちから骨密度をキープしておくことが肝心です。今回は将来寝たきりにならないための食生活について、予防医療コンサルタントの細川モモさんに伺います。

あなたは足腰に自信がありますか (C)PIXTA
あなたは足腰に自信がありますか (C)PIXTA

働く女性には骨をつくる栄養素が不足している

 肌荒れや貧血による立ちくらみとは違い、なかなか目に見えて実感することのない「骨」の状態。文字通り自分の体を支える屋台骨ですが、骨密度を測ったことのある人は少ないのではないでしょうか。

 実際、細川モモさんが代表を務める一般社団法Luvtelli(ラブテリ)と三菱地所が共同で立ち上げた「まるのうち保健室」にも「骨密度を測ってみたくて参加した」という人が多かったそうです。

 そして、気になる結果はというと

◆20代~30代の女性352人の骨密度
平均値 1534g/平方センチメートル
最大値 1673g/平方センチメートル
最小値 1456g/平方センチメートル

 骨をつくるのに必要な栄養素の摂取状況を見てみると、カルシウムが不足しているのは87%、マグネシウムが不足しているのは86%、たんぱく質が不足しているのは87%、そしてビタミンDが不足しているのは27%――という結果でした。ビタミンD以外は大きく不足していました。

骨をつくる栄養素の摂取状況
骨をつくる栄養素の摂取状況
※ いずれも2016年度「第3期まるのうち保健室報告書」─働き女子白書─より Copyright 2017 三菱地所株式会社・一般社団法人ラブテリ All Rights Reserved.


 一見、充足しているように思えるビタミンDも、実は国際水準で見ると不足しており、日本においても必要量の見直しが検討されています。また、ビタミンDは食事からの摂取量に加え、紫外線を浴びることで活性化されるため、食事からの充足率だけで不足を判断することはできません。日本女性20~50代を対象にした研究では、血中ビタミンD濃度が最も低かったのは20~30代女性であるという報告もあります。

 実は骨の成長には「ピークボーンマス(最大骨量)」があり、おおむね20代でピークを迎えます。最大値がどれだけ大きくなるかは思春期に運動・睡眠・栄養が足りていたかによりますが、ピーク後は減少していきます。

 ……ということは、大人になってからは骨量や骨密度を増やすことはできないんですね。細川さん、どうしましょう!