女性にとって長い付き合いとなる生理。生理不順や生理痛、PMS(月経前症候群)といった不調を我慢していませんか? 生理のトラブルには生活習慣や栄養不足などさまざまな原因が考えられますが、そのなかでも特に関係があるのが「朝食」です。その理由と効果について、予防医療コンサルタントの細川モモさんに伺いました。

朝食と生理は無縁ではありません (C)PIXTA
朝食と生理は無縁ではありません (C)PIXTA

朝食を取らない人ほど生理トラブルに見舞われる傾向

 月に一度の生理周期。PMS(月経前症候群)や生理痛がひどくて、本当に「ブルーデー」だという人もいるのではないでしょうか。あるいは、無月経になったまま診察を受けていない人もいるかもしれません。

 細川モモさんが代表を務める一般社団法人Luvtelli(ラブテリ)と三菱地所が共同で立ち上げた「まるのうち保健室」の調査によると、実に働く女性の5人に1人が無月経を経験していました。

過去3カ月以上、月経がなかった経験はある?
過去3カ月以上、月経がなかった経験はある?
無月経を経験している女性は2割近くいました。女性212人が回答 出典/2015年度まるのうち保健室報告書―働く女性白書― Will Conscious Marunouchi「まるのうち保健室」調査 Copyright 2016 三菱地所株式会社・一般社団法人ラブテリ All Rights Reserved.

 さらに、朝食を取らない人ほど無月経のリスクが高い傾向にありました。ほぼ毎朝食べる人で無月経を経験した人は17%ですが、欠食がある人で無月経を経験した人は21%に増えていました。

朝食と無月経経験の関係
朝食と無月経経験の関係
ほぼ毎朝食べる女性よりも欠食がある女性のほうが、無月経になりやすいようです 出典/2015年度まるのうち保健室報告書―働く女性白書― Will Conscious Marunouchi「まるのうち保健室」調査 Copyright 2016 三菱地所株式会社・一般社団法人ラブテリ All Rights Reserved.

 また、朝食を取っていない人は生理痛が強い傾向も見られました。朝食を抜くことで体温が上がらず、低体温が生理痛の悪化要因とする研究報告もあります。

 「PMS(月経前困難症)で悩んでいる女性は、血中カルシウム値やビタミンD値が低いという報告もあり、特に、ビタミンD値が低い女性は生理痛が強く、胸の痛みや頭痛、イライラやうつなどの不調が多かったことが分かっています(※)。ハーバード大学の研究では、『PMSの症状が重い人は鉄分と亜鉛が不足している』というデータも発表されています。朝からきちんと栄養バランスの取れた食事をすることは、女性特有の不調にも効果的なんです」(細川さん)

※出典/DOI: 10.1016/j.tjog.2017.12.009