あなたは自分の食生活に自信がありますか。女性が健康体で働き続けるために必要な食生活について詳しく解説する連載・働く女性のための「正しい食生活」 第4回は、「朝食抜き」の誤解や弊害について取り上げます。予防医療コンサルタントの細川モモさんにたっぷりお聞きしました。
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「朝は食べないほうがよい」説の真偽のほどは
美容やダイエットに関心の高い人ならば、一度は「朝食抜きダイエット」にチャレンジしたことがあるのではないでしょうか。
朝食抜きダイエットをする理由に挙げられているのが、「朝は体にとってデトックスの時間だから、何も食べないほうがよい」「朝食を取ると排せつがうまくいかず、太ってしまう」といった説。細川さん、これって本当のことなんですか?
「朝食に関してはさまざまな説が出回っていますが、実は『食べないことの健康効果』を科学的に実証した論文は少ないんです。反対に『食べたほうがよい』根拠を示す論文は数多く存在します。朝食を取った人のほうが日中のパフォーマンス力が高く、生活満足度・幸福度もともに高く、年収も高い傾向にあるというデータまで出ています」(細川さん)
「何をもってデトックスというのかにもよりますが、基本的に毒素や老廃物の排出は、大部分が尿や便からの排せつで行われるものであり、長時間の半身浴で汗をかいたとしても、汗からの排出はたった数%ほどといわれています。つまり、デトックスとは、尿や便をいかにスムーズに日々排せつするかということが肝となります。この点において朝食抜きは逆効果といえます」と細川さんはきっぱりと説明します。
日々の排せつが肝で、なぜ朝食抜きは逆効果なんですか?
「その理由は単純明快です。欠食すると、便が固形を成すために必要なカサが減るとともに、食物繊維の総摂取量が減ります。また、体内時計のリセット効果が得られなくなり、体内リズムが乱れやすくなります。実際に、若年女性を対象にした研究で、排便回数が少ない女性ほど朝食を抜いている率が高いことが報告されています(※1)」(細川さん)
排便回数が少ないということは、それだけ便が体内に長く滞留する……ということは、デトックスの真反対ですね。
さらに細川さんは続けます。「また、朝食抜きダイエットにより、血圧が上がりやすくなり、脳出血のリスクが36%も高まることが、国立がんセンターらの研究から報告されています(※2)」
また、ダイエット面から見ても「朝食抜き」は逆効果。結局はおなかが空いて昼や夜にドカ食いをしたり、間食についお菓子を食べてしまったりしがちです。血糖値は食事の回数が多いほど安定しますが、空腹時間が長く続いた後に食事を取ると、血糖値が急上昇します。そうした食生活を続けていると、血糖値を一定に保つインスリンの分泌が乱れ、太りやすくなってしまうのです。
「実際に朝ごはんを食べている人のほうが体脂肪率が低く、筋肉量が多く、骨密度が高いことが私たちの調査からも分かっていますし、さまざまな研究により裏付けられています。『ダイエットのために』朝ごはんを抜くことはおすすめできません」(細川さん)