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林真理子さん「“ちょっと心が苦しいな”と感じた時は…」“負の感情”を拭う方法とは

2015年10月26日

「人を羨んでいると、自分の一番大切なものが削れていく」林真理子さん

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作家として第一線を走り続けること30年あまり――。その好奇心と行動力で、運命の扉を次々と開いてきた女性、林真理子さん。年齢を重ね、ますますエネルギッシュな輝きを増す林さんに、9月5日に上梓した『マイストーリー 私の物語』の執筆裏話をはじめ、仕事観から自身の体験を踏まえた婚活アドバイスまで、さまざまなお話を伺った。

林 真理子
1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒業後、アルバイトをしながら、コピーライター養成講座に参加。広告制作会社を経て、糸井重里コピー塾に参加。そこで絶賛され、糸井氏の事務所で働くことに。その後、独立。初の著作『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(主婦の友社)はベストセラーに。86年、『最終便に間に合えば』『京都まで』で第94回直木賞を受賞。90年、36歳のとき結婚。44歳で長女を出産。週刊誌や女性誌でも連載エッセイを執筆。また、直木賞や吉川栄治文学賞など、多くの文学賞の選考委員も務めている。

――『マイストーリー』は、出版業界が舞台となっています。そのなかで、“自費出版”をテーマにしようと思われたのはなぜだったのでしょうか。

林さん(以下、林):私、自費出版って不思議でたまらなかったんです。「なぜあんなに高いお金を出して自分のことを語りたいんだろう」って。私のところにも見知らぬ方から自費出版の本が送られてくることがあるのですが、初めて出した本なのに、「第一作品集」とタイトルに入っていたりする。「この自己顕示欲はスゴイな。こういう人たちの心理が知りたい」。そう思って取材を始めました。

 その後、偶然にも自分史のブームがきて、朝日新聞が自費出版事業を始めたことは驚きでしたが、自分を語りたい人がこんなにいるのだなと改めて気付かされました。自費出版を希望する人は、中高年以上が多いのですが、自分の人生をカタチとして残しておきたいと考えるのでしょうね。

――今だと、特に若い世代では、ネットという手段もありますね。SNSのブームをみても、自分を見てほしい、多くの人に認められたい、肯定されたいという人が増えているように思います。そういった現象をどうみていらっしゃいますか?

:自分に注目してほしいという自己顕示欲は、本来人間の根本的な欲求だし、誰しもが持っている健全な心理だと思うんです。ただ、それが膨らんで時には歪んだカタチになって、ネットの世界で他人を妬んで叩く人もいます。だから私、匿名の書き込みは認めない主義なんです。

――物語のなかで、「今の若い人は、自分の人生の主人公になれずに、ずっとあがいている」という言葉が出てきますが、まさしくそういう思いを抱いている人は多そうです。

:これは、新聞連載時に私の友達が感想で送ってくれた言葉なんです。すごく素敵な言葉だと思い、了承を得て使わせてもらいました。

 沢木耕太郎さんの著書に『世界は「使われなかった人生」であふれてる』というタイトルの本があるのですが、私はこの言葉がすごく好きなんです。人は、ほんの少しの選択の違いで、手に入れられたかもしれない人生に思いを馳せてしまうものなのかもしれません。

――世間の基準や他人の目といったものに心が支配されてしまうと、なかなか“自分の人生の主人公”として生きることが難しいのかもしれませんね。

:自分の人生を主人公として生きたいなら、まずは自分を好きでいることが大切だと思います。ただ、葛藤する気持ちはよくわかりますよ。世の中、努力だけでは報われないこともたくさんあります。思い通りにいかなくて、満足感と折り合いをつけられずにいる人は少なくないでしょうね。

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