• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

『誘拐結婚』を通じ、女性の幸せを考える

2014年6月27日

写真家・林典子さんインタビュー(下)

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

 中央アジアの国キルギスで、慣習として行われている「誘拐結婚」。その実態を取材した一連の写真で、国際的な注目を集めるドキュメンタリー写真家・林典子さん。写真家としての出発点は、国際政治学を専攻した学生時代にさかのぼる。

林典子
1983年生まれ。大学在学中に西アフリカ・ガンビアの新聞社で写真を撮りはじめる。ナショナル ジオグラフィック日本版で、2012年9月号「失われたロマの町」、2013年7月号「キルギス 誘拐婚の現実」を発表。米ワシントン・ポスト紙、独デア・シュピーゲル誌、仏ル・モンド紙、デイズ・ジャパン誌、米ニューズウィーク、マリ・クレール誌(英国版、ロシア版)などでも作品を発表。著書に、『キルギスの誘拐結婚』(日経ナショナル ジオグラフィック社)、『フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳 ―― いま、この世界の片隅で』(岩波書店)。

 「2006年、授業の一環で、アフリカのガンビア共和国に研修に行きました。研修の中で、政府の方針に反する記事を書いたジャーナリストが逮捕されるなど、報道の自由が脅かされる現実があることを知ったのです。研修が終わった後、現地の新聞社に飛び込んで、働かせてもらうことになりました。そこで写真を撮ったのが、仕事としてカメラを手にした最初のきっかけです」

 報道規制という逆境の中、真実を伝えたいという強い信念を持ち、時には命がけで取材をするガンビアのジャーナリストたちに出会ったことで、「社会の片隅で生きる人びとの物語を写真で伝えたい」という思いが生まれた。

 ひとつのテーマにじっくり取り組むドキュメンタリー写真家として、フリーランスで活動することを決意。2009年には、HIV感染者の取材のためカンボジアへ渡る。そこで、ひとりの少年と出会った。

 「彼の名前はボンヘイ。当時8歳で、HIVに母子感染していました。生まれたときから耳が聞こえず、話ができず、左目の視力も失っていた。手話もできず、文字も読めない。HIVが何なのかもわからない。そんな男の子がどうやってHIVと闘いながら生きているのか、取材したいと思いました」。

 一家の生活に寄り添って取材をするため、泊まり込んで撮影を始める。時間をかけてひとりの被写体に向き合うスタイルは、この時に生まれた。「ボンヘイの取材を通して、コミュニケーションの大切さを実感しました。どうすれば相手と信頼関係を築けるか、逆にどんな取材をしたら嫌な思いをさせてしまうのか。シャッターを押して写真を撮るまでに、時間をかけて相手を観察し、理解することで、『被写体』を超えた何かが見えてくると信じて取材をしました」。

 その後、パキスタンでは、男たちに硫酸をかけられ火傷を負った女性たちの姿を取材した。東日本大震災では、原発事故の警戒区域に入って誰もいなくなった町を撮り、避難所や、津波で流された自宅跡で思い出の写真などを探す人々の話を聞いた。

2カ月半パキスタンに滞在し、硫酸被害者の女性たちの生活を追った。(C) Noriko Hayashi
津波の被害に遭った福島県双葉町の海外に残された遺影。(C) Noriko Hayashi

この記事をSNSにシェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebookでシェア

Facebookコメント

※Facebookのコメント機能は、Facebookのソーシャルプラグイン機能を用いて実現してい ます。本機能、およびコメントの内容について、日経ウーマンオンラインは一切の責任を負い ません(日経ウーマンオンラインからのコメントを除く)。また、コメントを非表示にしたり、機能を停止することがあります。

関連キーワードから記事を探す
働き方恋愛・結婚人間関係の悩み暮らし方ライフ

Topics

PAGE TOP

ログインしていません。

  • ログイン
  • 無料会員登録

Focus

最新刊のご案内

  • 仕事を楽しむ 暮らしを楽しむ
    日経ウーマン 6月号

    特集は「心とカラダの不調を解消!疲れない!老けない人の24時間」。ウーマン読者が今一番気になるのは、「体力の衰え」と「疲れが取れないこと」。女性医師500人とカラダのプロたちが、毎日実際にやっていることを紹介。第二特集は「残高見るだけで1000万円貯蓄法」。

  • もっと健康に、もっと美しく
    日経ヘルス 6月号

    忙しい、運動が苦手な人でも続く!5秒~できて簡単なのに効果絶大な「筋トレの新ルール」を大特集。歩くだけ、伸ばすだけ、座るだけ!日常生活で少し意識を変えるだけで、引き締まった体が手に入ります!

  • 働くママ&パパに役立つウェブマガジン
    日経DUAL 5月号

    「日経DUAL」5月号は「もしかして、わたし“毒親”予備軍?」と「使ってみた!知っておくと得 DUAL的最新便利サービス」の2本の大型特集のほかに、【妊娠・復帰】【保育園】【小学低学年】【小学高学年】と、子どもの年齢を4つに分類し、それぞれの年齢で今知りたいノウハウをお届します。「小学生の防犯マニュアル 登下校、習い事の行き帰り」「周囲の気持ちをくみ取る『女の子脳』の子には注意」など注目の記事も満載です。

働く女性 必読の書

おすすめ本日経ウーマンの本日経ヘルス&プルミエの本

もっと見る

キャリア&スキル
就職・転職
働き方
副業
お仕事術
コミュニケーション術
資格・語学
マネー
PC・スマホ
教養・マナー
ウーマン・オブ・ザ・イヤー
ヘルス&ビューティ
ダイエット
カラダの悩み・病気
メンタルヘルス
健康レシピ・食材
メイクアップ
スキンケア
健康知識
ライフ
恋愛・結婚
人間関係の悩み
お買い物・節約術
整理・収納
ファッション
グルメ
エンタメ
旅行・お出かけ
暮らし方

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

PC版 | モバイル版