ちょっとした体調不良や軽い風邪やケガの時、わざわざ医者にかかることはなく、まずは薬局やドラッグストアで買った薬で治そうとする多忙なビジネスパーソンが多いのではないでしょうか。薬局に出向いても、カウンターで薬剤師に症状をいろいろ説明するのが面倒で、棚から適当に選んだり、テレビのCMで見たことのある薬を特に理由もなく指名買いするのは、僕だけではないと思います。しかし本書を読むと、薬剤師に説明して選んでもらうことの重要性が分かりました。
OTC医薬品という言葉を耳にしたことはあるでしょう。OTCは「Over the counter」の略で、カウンター越しに買える医薬品、つまり薬局やドラッグストアなどで購入できる市販の薬という意味です。医師の処方箋が必要な処方薬と対比される言葉です。
ところが市販とは言っても、完全に自由に買えるわけではないということを本書で知りました。OTC医薬品は副作用や使い方の難易度により、第1類から第3類まで3つに分類されていて、第1類は薬剤師が文書で説明することが義務づけられています。薬そのものもカウンター内に置かれており、客が自由に手にすることはできません。
というのも、第1類には長年医療現場で使われてきた処方薬を転用した薬が多く、効き目の点で「切れ味のいい薬」だからなのです。つまり自分で棚から取って買っているうちは、こうした高い効果が期待できる薬にはめぐり会えないというわけです。そうしたOTC医薬品の仕組みを知ることができるだけでも、この本を読む価値はあると言えるでしょう。
ちなみに第2類医薬品は、薬剤師または登録販売者に相談できます。薬剤師や登録販売者は、購入者から質問されなかった場合にも、第2類の医薬品についての積極的な情報提供を努力する義務があるそうです。第3類では規定はありません。第1〜3種、いずれの場合でも、質問や相談を受けた場合にはきちんと答える義務があるのだそうです。
本書ではそうした市販薬が販売される仕組みとともに、実際に薬剤師にどのような情報を伝えるべきか、薬剤師に何を問えばいいかを整理しているので、薬剤師との付き合い方も分かってきます。





