ITやエレクトロニクスを専門とするライターが、独自の視点で「整理術」を紹介します。
「整理術」に関する本が書店に数多く並んでいるのは、多くのビジネスパーソンが仕事の環境や膨大な情報をきちんとしたいと考えながらも、整理できずに悩んでいることを示しています。かく言う私も机の周りを整理するのが苦手で、本や書類が散らかった机でいつも仕事をしています。今回は、自分にも“響く”整理術を探して、この本を選んでみました。
前半はさまざまな工夫で整理を実践する達人10数人の仕事環境が、整理のヒントといっしょに紹介されています。写真を見ると「すごいなあ。こういうところで仕事をしたいな」とは思いますが、「実践は大変だろうなあ」と、あたかもモデルルームのチラシを眺めるような感覚に陥って、結局は他人事感覚で読み終わってしまいました。
しかしその次の章は、ずぼらな私も「整理してみようか」という気にさせてくれます。散らかった仕事場を持つ編集プロダクションの社長が、1カ月に渡って「かたづけ士」からみっちり指導を受けるドキュメント。これは、「タイプ分析」「目標設定」など、ゴールに据えた理想的とする環境までステップを踏みながら整理を進めていくものです。特にどこに何を置くかを示す「エリアマップ」を手書きすることや、3週間にわたる立案と進捗管理を行うことなどは、まるでビジネスのプロセスのようで、ちょっと実践してみたくなってきました。
整理の対象は仕事場だけではありません。カバンについてもポリシーを持って整理している3人の事例が紹介されています。特にユニークなのは慶応大学の松村太郎氏で、ノートや筆記具など常に使う道具を入れた小さめの「基本カバン」と、その日の仕事内容に応じたカバンの2つを持ち歩くという手法を紹介しています。「大は小を兼ねる」方式では、普段の持ち物が意味なく増える原因になるというのです。一つのカバンにすべてを入れるのは、実は整理の妨げとも言えるようです。





