人気連載「平成働き女子のための処世術」が1冊の本になりました。著者の深澤真紀さんに、連載執筆の裏話と、「読者のみなさんに改めてお伝えしたいこと」をお聞きしました。“処世術・熟達度チェック”もご紹介! ぜひお試しください。
―― 連載には、「深澤さんの処世術を読んで、無理して頑張らなくてもいいんだと、とても楽になった」という読者のコメントがたくさん寄せられましたね。
深澤:特に女性は、つい頑張りすぎてしまう人が多いですからね。この本では身も蓋もないことを言ってると思うのですが(笑)、それが新鮮かもしれません。
普段は、自分の原稿のゲラ(校正紙)を読むのは好きではないんですが、今回は面白く読めました。「我ながらなかなかいいことを言っているなあ」、でも「いまだに同じ失敗をしているなあ」と。
ネタのほとんどが、自分自身の失敗ですから。私はかなりのダメ人間なので(笑)、自分の中の間抜けな部分を、自分で突っ込んでいるんです。
―― 処世術のネタは、どんなときに思いつくんですか?

―― とくに若い読者に伝えたいことはなんでしょう?
深澤:よく、「若いときは失敗したほうがいい」なんて言われますが、私は、自分の若いときの失敗で「よかった」と思えることはないです。
例えば、“捻挫”ぐらいの失敗なら、その後の人生の教訓になるかもしれませんが、多くの失敗は“複雑骨折”のようにダメージが大きいものです。
私の若い頃の失敗はほとんどが複雑骨折でしたし、いまだに骨にボルトが入っているような状態です。こんなボルトは入れる必要はないので、大きな失敗はせずにすむほうがいいですし、そのための「失敗を減らす方法」が必要だと思います。
それに成功するのは“時の運”が大きいですが、失敗には理由があります。成功の理由を読んでも役に立たないことが多いのですが、失敗の理由を読むことは、それを防ぐために役立つと思うのです。
―― 「輝かない」というテーマにも、読者の共感が大きかったです。
深澤:「人間はダイヤの原石だから磨けば光る」という言葉もよく使われますが、磨き過ぎればダイヤだってすり減ってしまいますから。
ダイヤを輝かせるカットはプロの技で、的確に磨くのはものすごく難しいですよね。普通の人は、自分自身の原石をドンドン削り続けて小さくしてしまうことが多い。磨くのも輝くのも、やりすぎはよくないです。
―― 処世術というと、「要領よく、ずる賢く、出世する方法」といったイメージで、男性の中には抵抗がある人もいるようですね。
深澤:この時代を生きていくのは大変ですから、時代にあった処世術が必要だと思います。
男性の間では“伝統芸能”的に受け継がれてきましたが、女性の間ではあまり受け継がれてきませんでした。ただ男性の処世術も、高度経済成長期やバブル期のような「右肩上がりの方法論」では、今の時代に合わなくなってきました。これからは男性にも女性にも新しい処世術が必要になってくると思います。
例えば、『釣りバカ日誌』と『社長 島耕作』は日本の男性の処世術ファンタジーの裏と表なんです。男性では、島耕作のようにばりばり働くことも、『釣りバカ日誌』のハマちゃんのように逆にのんびり働くことも物語になるんですね。
ところが働く女性のドラマやマンガでは、島耕作タイプの「会社でがんばって出世する物語」はあるのですが、ハマちゃんタイプの「会社ではがんばらずに好きなことをして生きている物語」はまだあまり描かれないですよね。
私は女性にハマちゃん的な処世術を伝えたいですし、そこそこほどほどの生き方を知ってほしいと思っています。
それでは次に、あなたの「処世術熟達度」チェックをご紹介します!




